歳時記は隔月で発行される、当会の会報「雑木林通信」の第一面を飾っている記事です。
豊中市でこんな自然について発見、気付いたことが有りましたら、些細なことでもメールでお知らせ下さい。近隣の市町村でも結構です。例えば*月*日、何処そこで、今年初めて何々を見たとか聞いたとか・・。面白い発見をしたとか。
春の陽を独り占めするかのごとく綺麗に輝く竹林。竹の伐採が行われた別の場所では、ニョキニョキと多様な樹木の芽が伸びていました。(4月23日 武田)
3 月
- 11日▼今年初のヒサカキの花が咲いていた。
翌週にはそこここからヒサカキ特有の香りが漂ってきた。
- 12日▼市道沿いにカンヒザクラが咲いていた。
- 19日▼春がいっぱい。ヨモギが新芽を出していた。
▼スゲが春らしい。
- 26日▼豊寿荘横の松林で今季初のモンシロチョウとテングチョウを見た。例年より遅い。
- 28日▼ツバメ初認。ギュルギュルギュルという声と共に島熊山上空を飛んで行った。
4 月
- 2日▼日当りよいところのコバノミツバツツジが数輪咲いていた。
▼老人ホーム横の階段左にあるヤマザクラも咲いていた。
- 9日▼今日はまだ若竹が少ない。
11 月
- ▼13日チジミザサの種子がズボンによく付いた。
▼ノウタケ、ハナビラニカワハナビラニカワ赤タケ(キノコ)。
20日▼ドングリの芽が立っていた。
▼何かの巣か藁がサークル状になったものがあった。
▼ナツフジやモチツツジが咲ていた。
▼まだ蚊が多かった。
12 月
- 11日▼沢山のピラカンサが赤々と実を下げていた。
▼鳥の鳴声が聞こえた(ツグミの集団)。
181日▼杉の枝先が黄色掛かっていて、花粉の時期が迫っている事にゾッとした。
▼枯草を分け入ると、フユイチゴの赤い実がツヤツヤといくつも実っていた。
1 月
- 17日▼沢山のピラカンサが赤々と実を下げていた。
▼鳥の鳴声が聞こえた(ツグミの集団)。
▼杉の枝先が黄色掛かっていて、花粉の時期が迫っている事にゾッとした。
▼枯草を分け入ると、フユイチゴの赤い実がツヤツヤといくつも実っていた。
2 月
- 21日▼桜の枯木にキノコがびっしりと付いていた。
▼スミレ、アセビ、ヤブツバキが咲いていた。
▼ヨモギの葉が茂っていた。
▼モチツツジの花芽が見られた。
▼ヒイラギナンテン、シュンランの蕾が見られた。
▼クロマツ林(豊中不動寺近く)で6〜10人の小学生が遊んでいた(ビービー弾探し)。
3 月
- 13日▼芽が出ているシュンランが3株。
▼タヌキの糞が見つかった。
▼タカサゴユリの芽が出ていた。
▼若竹(タケノコ)20本。
- 22日▼早くも尾根道をアゲハチョウが飛んでいる。
- 27日▼老人ホーム裏コバノミツバツツジ咲き始める。
4 月
- 5日▼ヒオドシチョウが2頭、縄張りを張ろうと何度も絡み合っていた。
- 8日▼サルトリイバラやミツバアケビ、コバノガマズミノ花が咲き、クロアゲハが飛んでいた。
- 10日▼鳥の声がよく聞こえた(シジュウカラ、エナガ、ウグイス)。
▼大きなスズメバチ(女王)が見られた。
▼スノキの花が咲いていた。
▼可愛いいアベマキの実生がニョキニョキと群生。
▼シュンランの花がいくつも咲いていた。
▼コバノミツバツツジが満開を迎え綺麗だった。
カンヒザクラ艶やかによみがえる
「あの赤い花は何ですか?」と、Sさんの弾む声が背を打つ。淡い枯れ色に染まる南側小草原で、月1回のモニ1000調査に打ち込んでいた時のことだ。「赤い花?今の時期なんだろう?」。呼ばれるままに引き返して林縁の奥を見上げると、なんとそこには艶やかなつぼみを満載したカンヒザクラが1株、悠然と立っているではないか!これには驚き、またどれほど喜んだことか!実はそこからほど近い林中にあった同種の大木が、一昨年、前触れもなく突然花開くことをやめ、島熊山でカンヒザクラは絶滅したのだと諦め落胆していた。それが今、鮮やかによみがえったのだ。すっかり落葉した木々の奥に、濃い桃紅色のつぼみがびっしりと下垂して、実に艶やかだった。近くでさらに2株が新たに見つかり、嬉しい早春の便りとなった。
2 月
- 10日▼朝、南東側の小草原で、ツグミ二ー三羽が走っては止まりを繰り返しつつ採餌。地上に降りた姿は今年初めて。
- 15日▼尾根の東すそに、ヤブツバキ赤紫に咲いている。
▼固かったハンノキの雄花も伸び解ける。触れると黄緑の花粉が煙のように飛散。
▼地上から樹上まで、木の実という実、すっかりなくなっている。一ヶ月前にあれほど豊かに実っていたクロガネモチやシャシャンボ、トウネズミモチのほか、例年春遅くまで残るセンダンや朱色のタチバナモドキなどの不人気種まで、ことごとくが食べ尽くされている。野鳥の集団移動によるか?
- 25日▼今年初めて、ウグイスの声聞く(土田明)。
3 月
- 15日▼箕面市との境、新御堂筋西の小草原に、ツクシ大量に顔出し。一画では足の踏み場に困るほど(松田)。
▼尾根東すそに、スミレSP五ー六株、鮮紫色に咲いている。
▼ヨモギの若葉広がる。淡い緑の葉はいかにも柔らかそう。
▼ヒイラギナンテン諸処に咲き始め。傘状に広がる緑葉の頂から伸びる長い花軸の両側に、淡い黄の花が可憐。
▼特養の東南すその林中に、カンヒザクラ三株新たに見つかる。濃い桃紅色の釣り鐘状つぼみが重たげにびっしり膨らんでおり、一部はぽつぽつ咲き始め。鮮やか(柴田)。
▼ヒサカキは白花赤花、♂花♀花が入り乱れ、盛期迎える。
▼林床でアオジ、チッ、ツッと柔らかな声で鳴いている。
- 16日▼神戸層群への小径で、ヒラタアブ一頭すまし顔でホバリングしている。近づくとホバリングのまま体をサッと横滑りさせ、安全距離保つ。
▼日当たり良い尾根上で、ルリシジミSP春陽を浴びて水色の内羽が光っている。今年生まれの♂個体。
▼東南側小草原に、春告げるテングチョウ初認。
▼薄暗い林中を歩けば、落ち葉踏む音に誘われてか、ルリビタキ♀一羽、周囲をヒラヒラ興味深げに飛び歩く。
- 27日▼神戸層群上の陽当たり良い尾根は、春一歩二歩と深まる。カンサイタンポポが花開き、いつもの場所には越冬から目覚めたヒオドシチョウが縄張りを張っている。
▼配水場東の尾根で、コバノミツバツツジ開花始まる。
明けましておめでとうございます
音も無く広がるカシナガ侵食に歯止めかけ
全力で林内環境の保全をはかろう
「こ〜と〜し〜は〜〜何の年」――もう40年近く前、年が明け正月休みも終わろうとしていたころ、コタツに潜り込んだ頭上でこの歌が流れていた。スピーカーの奥から起ち上がる声は妙に低くトロンとくぐもっており、高く澄んだ歯切れ良い井上陽水の声から程遠く、低く奏鳴するベースの音と相まって聞く者を気だるく切ない感傷の中に引き込むのだった。島熊山にとって、「今年は何の年」なのだろう?林内を歩けば、アカマツが衰退する傍らで今や優先種となった<コナラーアベマキ>は、昨年わずか1年で3本に1本がカシナガの侵食にあい、体内に破滅の因子を抱えながら冬を越すことになった。やがてヒサカキの香が林内に満ち、ウグイスが早い春の訪れを歌い始める頃になっても、最早どの個体もが新芽の芽鱗を割るとは限らなくなったのだ。音もなく林内に危機は広がっている。これからの手当が奏功して山は小康を保てるのか、それとも力及ばずして枯死が多発し、林内環境は激変の波に晒されるのか。今年は島熊山の10年20年先を見据える重要な分岐の年になるに違いない。
12 月
- 7日▼林中に、ササユリのものらしい朔果初めて見つかる。中にはまだ飛び出していない種子二〇粒が残る。
- 10日▼カカカッと、遠くでジョウビタキの乾いた声。
- 14日▼アベマキの根元近い深い皺の奥に、ヤスデ一頭ひっそり冬越し。地際の柔らかい土中では、幼いムカデも越冬中。
- 19日▼小枝をにぎわすセンダンの実、青空を背に黄金に光っている。
2015年 1 月
- 1日▼元旦は激しい風と雪。午後にはたちまち数aの積雪見る。
- 2日▼尾根を歩けば、前方地面近くに野鳥の姿ちらほら。アオジが小径をはさみ右に左に行き来している様子。
- 14日▼雑木林再生地内の小径に、タヌキの黒光りする真新しいフンが一塊。食べ物の大半はシャリンバイのようで、丸く大きな種が所狭しと混じっている。
▼深く積み重なる落ち葉の層に、シロハラが採餌時に開けたと思われる大きな堀跡二つ。
- 18日▼林縁で、ヒイラギナンテンの伸びる花軸に小さなつぼみ列を成し点々。ヒサカキは昨年の実をまだ黒々と残したまま、つぼみ早くも青く大きくなり始め。
▼再生地内のクロガネモチ、真っ赤な実びっしり。生り年?
▼林縁のハンノキ、♂花長く大きくなる。陽に当たる側は小豆色に焼け、裏側の鮮緑色と好対照。別の場所でははや開花見られ、触れると淡黄緑色の花粉飛散する。
▼すっかり落葉したイヌビワの小枝に、青い実点々(谷)。
▼新しい場所でナワシログミ育ち、果実膨らんでいる(西川)
▼陽当たり良い林縁のヤマモモ、♂花膨らんでいる(武田)
▼薄暗い林中に、アオキの実、赤く色づく。
▼神戸層群小径で、ツチグリ二つ。切れ目を入れて剥いたような皮の真ん中に小袋あり。押すと褐色の胞子噴出す。
▼クロマツ林で、ジョウビタキ♀、小枝から地面へ、また小枝へと忙しく飛び回る(高妻)。
▼シロハラの姿見る(河原)。
▼周回道路そばの林縁で、アセビのつぼみ膨らんでいる。
- 21日▼再生地内の積もる落ち葉の上に、クロコノマチョウ一頭。少々近づいても動かず、落ち葉になりきっている様子。
細々とアキノキリンソウ花開く
「保全」を超えた積極策も必要
島熊山に現存するアキノキリンソウは、いまではわずか数株までに減った。この花を見たことのない人は、これが普通の花穂だと思われても不思議ではないが、条件の良い場所に咲く株の花穂はもっと長く豊かで、躍るばかりに花弁の勢いがよい。それが秋の陽を浴びて黄金色に輝くさまは、遠目にも実に鮮やかで豊潤だ。細身の花茎は充実した花穂の重みに耐えかねて、しばしば横に寝てしまうほど、か弱い。アキノキリンソウのそんな姿を見なくなって、もう何年が経つだろうか。細々とだが花開いている今が、この地での自然消滅を防ぎ、今後の繁栄へ手立てを講じ得る、残された短い機会なのかも知れない。
10 月
- 12日▼林縁にて会員各位が工作の最中、エナガやシジュウカラの混群、枝から枝へ忙しく飛び移りつつ移動。
- 15日▼尾根小径を歩くと、ブチョチョとシロハラの突然の警戒声浴びる。はや渡ってきている。
- 16日▼夕刻、キチョウ一頭、ササ茂る一角に降りかけては飛び立ちを繰り返すも、逡巡の後やっと一日の眠りへ。
- 19日▼雑木林再生地内は木々の果実が色づきまた熟す。カマツカの実は真っ赤に輝き、カクレミノ、シャリンバイ、シャシャンボは黒紫色に熟している。
▼緑の葉間に、クサギのガクと実、色鮮やかに見え隠れ。
▼コウヤボウキ満開。線香にも似た香、心地良く鼻をつく。
▼ヌルデの小果、全身に粘液噴いている。なめると酸っぱく塩辛い。野鳥たちの大好物。
▼見上げれば、ミツバアケビの実、幾つも実っている。熟して裂けた奥には白い果肉がほど良く丸まっている。
- 27日▼豊島東の林中で、ゴンゴンゴンと樹幹を打つ低く大きな音響く。アカゲラかアオゲラ、山から下りてきている。
▼切り立つ樹林の壁を背に、ウラギンシジミ一頭、ピカピカ翅光らせながら一気に駆け昇ってゆく。
▼アキノキリンソウ二株,、か細くか弱く咲いている。
11 月
- 5日▼一九時頃、特養横の階段から向かいの豊島横の斜面へ、タヌキ一頭、車道を横切る。コロコロした身体はコンクリの斜面を駆け昇るに大変そう(社)。
- 12日▼人の入らない急斜面に、タヌキの新しいフン一塊。
▼谷間の湿った落ち葉から、クロコウガイビル顔見せ。
▼諸処に、モチツツジ季節外れに咲いている。
▼カキ、ヌルデ、ヤマウルシ、ヤマザクラ、黄紅葉深まり、落葉は林床を彩り豊かに染めている。
▼イモムシ(SP)数十頭の集団、小径の真ん中で押し合いへし合い。
- 15日▼夜、三叉路に近い車道沿いの斜面から、特有の香流れ来る。ハマヒサカキが開花したもの。
- 16日▼薄暗い林床に、ヤブコウジの実赤く色づく。鮮やか。
▼林縁を歩けば、ひっつき虫の豪華お出迎え。ズボンと靴にはアレチヌスビトハギとチヂミザサがびっしり。靴下の目に食い込んだチカラシバは足首にちくちくと痛み。
ササ刈の途上大きなオケラ見つかる
つぼみも膨らみ開花近い
「オケラらしい植物があった。いま土田泰子さんに写真を撮ってもらい同定を頼んだところ」と、14日の昼食時、会員の田村さんから弾んだ一声があった。観察路のササ刈り中、「葉の縁のギザギザに見覚えがあったので、もしや?と思い、刈らずに置いた」と言う。よくぞ残してくれたものだ!翌日改めて現場を訪れ、しげしげと眺めた。大きい!背丈は50pほどもあろうか。葉が何枚もついている!しかも中には3裂した葉まで同一株に混じっている。長ーい茎の先端に座する鋭いトゲトゲは何だろう?棘に囲まれているのがつぼみなのだろうか?何せこれほど大きな株を見たのは初めてだし、まして当地では咲いた花を目にする機会もなかったのだ。15年も前に摂津峡の人から「コウヤボウキに似た白い花」と聞いたのが微かに記憶に残るぐらいだった。写真を撮り、帰宅後さっそく植物図鑑とにらみ合いの末、土田さんともども「オケラ」であることを確認できた。雌株雄株が別々のようだ。島熊山で初めて目にできる花はどちらなのだろうか。期待を込めて待っていよう。
8 月
- 16日▼夜、アオマツムシの声盛ん。四方から降り注ぐよう。
- 23日▼夜、東斜面で、マツムシ数頭鳴いている。ヤヤ早口も、高い金属的声がチンチロリと夜気を突いて響く。
- 26日▼ギギギギギと五節で区切って、ハラオカメコオロギの声。
別の場所では長〜く切れ目なく、ツヅレサセコオロギ、いつまでも鳴いている。どことなく淋しそう。
- 28日▼ナンバンギセル咲き始め。ひときわ伸びた花茎の先に、赤紫と白に染まる筒状の花が一輪、うつむき加減に開いている。
9 月
- 2日▼ミンミンゼミ、渋くゆったり鳴いている。浪曲師が絞り出す、鼻にかかっただみ声のよう。
- 11日▼北斜面に、キチチタケ大小、ニョキニョキ顔出し。
- 14日▼爽やかな微風抜ける中、モンキアゲハ一頭、ヒトの頭上を悠然と飛び去る。
▼ミヤコグサ小草原北側に、イヌコウジュ今年も小群をなしている。淡い桃色の小花が愛らしい。西の林縁にはツ ユクサ、イノコヅチも咲いている。イヌタデも咲き始め。
▼陽当たり良い尾根で、オケラ新たに発見。どの株も背高く育っており、先端にはつぼみも膨らんでいる(田村)。
▼ボトンと鈍い音立て、まだ青いコナラのどんぐり、緑葉つけ帽子被ったまま落ちてくる。ハイイロチョ ッキリが 中に産卵して、切り落としたもの(社)。
▼ツリガネニンジン、頭を傾げ、静かに咲いている。淡い水色に染まる筒状の花と長い♀しべは釣鐘そっくり。
- 15日▼新たに見つかったオケラの葉裏で、カノコガが交尾。
▼薄暗い林床に、シロオニタケの幼菌、白く怪しく浮いている。
▼メドハギ、ポツポツと咲き始め。
▼小草原を歩くと、草の緑に紛れていたショウリョウバッタ やササキリたち、慌てて飛び逃げる。ツユムシも姿見せ。
- 17日▼小草原で、明るいうちにエンマコオロギ鳴いている。
▼特養のフェンスの中、ワレモコウ咲いている。
- 21日▼アオツヅラフジ、薄く粉を噴き黒紫色に熟している(清掃班)。
▼尾根東裾に、ネコハギ白く清楚に咲いている(清掃班)。
▼マルバハギ、桃紅色に花開き、秋の気配深まる。
▼サクツクリハバチ幼虫、ヤマナラシの若葉にせっせと柵作り。白く臘状の柵が林立し、中に小さな青虫が籠城。
林中の朽ちた切り株に色も鮮やかな粘菌現れる
名はモジホコリ 動くカビといわれる
2枚の写真は、同じ切り株の同じ粘菌を1目違い、同倍率で撮ったもの。下が1日後の姿で、見れば確かに面影は残るが、注釈されなければとても同じものとは思えない。鮮やかな黄の菌体はごく普通に見られ「モジホコリ」の名がつく。普段は光を避けて枯れ木の中や落ち葉の下に住み採餌しているが、繁殖期にはアメーバ状に変形して外に現れ(上写真、変形体と呼ぶ)、たちまちのうちに姿を変え胞子を孕み(下写真、子実体と呼ぶ)、放出するという。このかんわずか1日。その変化の速ささと巧みさは、理解の枠を超えて神秘的ですらある。
(写真と文中資料は、会員の土田泰子さん提供による)
朽ちた切り株中から姿を現した粘菌(上)、翌日には変身していた
6 月
- 8日▼雑木林再生他の朽ちた切り株に、黄色の粘菌姿見せ。
- 12日▼雨上がりの林冠に、ツバメ七〜八頭、音もなく滑るように飛び交っている。中に巣立ち後日の浅い子ツバメも混じり、急降下やUターンも上手にこなしている。
▼暗い林中をホタルガ、何頭も過ぎリ行く。刷毛で描いたよつな白帯は黒地の羽根によく目立ち、淡い陽を浴びると薄青く輝いている。朱の小さな頭も印象的。
- 15日▼諸処にヤマモモの実熟れ始め。濃い緑の葉の奥に、朱や赤に色づいた実が見え隠れ。食べると甘酸っぱい。ヒメコウゾの実も朱に色づいている。
▼ミヤコグサ小草原の北側林緑、少し湿った一角に、コモチマンネンクサ、いつの間に小群落作っている。
▼ヤブコウジ、薄暗い林床にひっそりとつぼみつけている。小さなごく淡い桃色がしおらしげ。
▼イソノキの小花咲き始め。淡く黄緑を帯びた花は清楚。ウメモドキも隠れる如くひっそりと咲いている。
▼クワの梢に、チョウトンボニ頭、軽やかに静止。
7 月
- 5日▼小草原や路傍にまで、ミヤコグサ咲き拡がる。緑の葉と黄の花の取り合わせが柔らかでよく目立つ。
- 12日▼登リロ階段奥の林中で、クマゼミ一頭、鳴いている。
- 20日▼淡い生成り色のガクに包まれて、林中にクサギのつぼみ膨らむ。長い花軸先端のつぽみは畳んだ紙風船のよう。
▼元西ため池跡で、頭上爾く、カクレミノの実大きくなる。
▼艶やかな緑の光沢を放ち、ハゼ、ヤマハゼの実たわわに実っている。ヌルデはまだつぼみも、虫こぶができ始め。
▼傘状に開く緑葉の下、マンリョウの花咲き始め。薄紅梅の長い花軸先端に白い花、反り返りながら開いている。
▼ナツハゼの実膨らむもまだ青い。秋、黒く熟すと、食べて甘酸っぱい(西川)。
▼ナンテン、サンゴジュ、シャリンバイの実大きくなる(谷)
▼タカサゴユリ、長〜い茎の先端につぼみ膨らみ始め。
▼林緑を歩けば、草木重なる隙間から、ヒカゲテョウニ頭三頭、追われて仕方なく飛び逃げる。
▼林緑に、コマツナギ桃紅色に咲いている(清掃班)。
- 26日▼夕刻の山中に、カナカナカナとヒグラシ鳴いている。
コナラの葉巻いてオトシブミがゆりかごづくり
匠の技と重ねた時間に感嘆
コナラやハンノキの若葉が展開し、形を整える4月末から5月初旬、枝先に葉がクルクルと円筒に巻かれた奇妙なものに出会うことがある(左)。オトシブミ科の小甲虫が作ったもので、母虫は自分の15〜20倍もある葉に切れ込みを入れ、2つ折りし、下から順に巻き上げながら途中で中に1つだけ産卵もし、続いてまた巻き上げて終にこの巻筒を完成するのだという。島熊山では体長5oほどの「ヒメクロオトシブミ」がその主役だ(右)。初夏の適温の助けを借りて巻筒内で孵化した幼虫は、自分を包み護る幾重もの葉を内から食べながら育ち、やがて蛹化し羽化して夏空へと旅だって行く。葉の巻筒はまさに卵が大人になるまでの「ゆりかご」であり、隠れ家であり、また食料庫でもあるのだ。母虫がお気に入りの葉に着地してから巻き終わるまで、ヒト時間で2時間を要すという。だが、寿命わずか1年の小甲虫を流れる2時間とは、恐らくヒトが過ごす160時間にも相当する凝縮された濃密な時間ではなかったろうか。
4 月
- 7日▼コバノミツバツツジ花盛り。木々の芽吹きで淡く霞む山肌に、桃紅色の紋様、点々として目立つ。
▼早春の使者、ビロードツリアブ、コバノミツバツツジで吸蜜。体を覆う長い金茶の柔毛が光り輝いている。
▼サルトリイバラ咲いている。淡い黄緑の花弁が六裂してクルリと反り返り、小さなユリのよう。
▼展開し始めた若葉の間に、ミツバアケビの花、房状に下垂し咲いている。早春に濃い小豆色の花は珍しい。
- 14日▼いつもの場所に例年どおり、ヒオドシチョウ縄張り張っている。近寄れば飛び立ち、去るとまた舞い戻る。
▼南小草原林縁に、オオジシバリ咲いている。長目の花茎先端にはお椀状の黄花が優雅に首を傾げ、朱のシベが鮮やか。
▼ミヤコグサ小草原にベニシジミ、ウラギンシジミ見る。
- 19日▼豊島高校東林縁に、フジの花咲き始め。
▼林内の諸処に、ヤマザクラ咲く。神戸層群への小径傍では、マルバアオダモ、白く霞んだように咲いている。
▼観察路南出入口に、コバノガマズミ咲く。島熊山では希少で、この近辺だけ。カマツカは諸処に咲き始め。
- 20日▼階段横に、ナワシログミの実大きくなる。一部は朱に色づく。
▼暗い林中に、モチノキの花、人知れず咲いている。
▼南小草原林縁に、ヤマモモの♂花咲いている。
- 25日▼特養南、元水場斜面にクロバイの花、溢れるごとく咲いている。昨年までは見かけず、今年突然のこと。
5 月
- 7日▼ミヤコグサ小草原に、ニワゼキショウ咲き始め。
- 9日▼尾根を抜けた裸地に、ヒメアカタテハ一頭、頑固に縄張り主張。他の虫近寄れば緊急発進し、追い払っている。
▼ヤマハゼの房状花、新緑の傘の下、密かに咲き始め。
▼シバグリの新芽膨らませ、タマバチの虫こぶ多数。
- 14日▼ミヤコグサ小草原林縁に、コナスビ黄に咲き始め。
- 15日▼雨上がりの夕刻、テングチョウ一頭、枯れススキの茎につかまり一日の眠りへ。
- 16日▼薫風に乗り、キョッキョッキョと、ホトトギス泣き続け。
- 18日▼新御堂傍に、ヤマグワの実大きくなる。熟す寸前。
苦難を引きうけ 飄々として立つ
「おや、これは?」と思わず目を引く変わった形の樹木。カシナガの侵食調査中、狭い範囲の一角で幾本ものそんな木に出会った。左に大きく傾いた主幹から、1本2本…と大小の小枝がほぼ等間隔に天を突き起ち上がっている(左)。状況に合わせた苦肉の策なのだろうが、ヒョイヒョイといかにもリズム良く、軽い躍動感が伝わってくる。逆に右の木は苦しそうだ。太いフジヅルが強烈に巻き付いて、まるで首を絞められているかのよう。直径20pもある幹は今にも千切れそうだ。これで根からの水が樹冠まで届くのが不思議だ。近くには他に7つに株立ちした大きなヤマモモや、自身の体内から別種の幼木を生え育てているコナラなど、苦難を克服し、それを豊かな個性に変えて生きている木々があり、秘めた潜在力を垣間見る思いだった。
2 月
- 9日▼ナラ枯れ調査の最中、興味を引かれたのか、ルリビタキ若♂一羽、つかず離れず作業の様子うかがっている。
▼ミヤコグサ小草原の林縁、定例会時の休憩所傍に、野鳥の羽根、大小が散乱。何者かに食べられた跡のよう。この場所では五年前の同時期、同様にアオバトの羽が散乱。
▼南小草原フェンス際ナンキンハゼの根元に、大型野鳥の骨と羽根、まとまって残っている。食べられて半日以内と思われ、骨にわずかに付着した肉はまだ赤く湿っているよう。
- 10日▼ウスバフユシャク他フユシャク数種、何頭もが夜の林中を飛んでいる。懐中電灯を照らせば一瞬光の輪を横切り、闇に消え行く。♀の出すフェロモンが誘引。
- 22日▼朝、南小草原フェンス際のトウネズミモチに、ムクドリ一五羽が飛来し、実をついばんでいる。林縁にはツグミが一羽、胸を張り頭を上げて、遠くを見ている。
3 月
- 2日▼特養の東、旧水場への降り口に、コバノミツバツツジ二輪のみ、早駆けにつぼみ膨らむ。芽鱗割れ、桃紫色の花弁が顔見せ。他のつぼみは未だ固い。
▼旧水場南寄りの林床に、ツルアリドウシの赤い実一つ。
- 3日▼観察路東側の林中に、ヤブツバキ咲いている。
▼斜めに大きく傾いたトウネズミモチの主幹から、小枝五本が天に向け、ヒョイヒョイ垂直に立ち上がっている。
- 8日▼ホンドイタチ一頭、道路をしなやかに駆け抜ける。
- 9日▼朝、林の奥で「ケキョ」とウグイスの一声。作業後には、ホーホケキョもケキョケキョ…の谷渡りも披露あり。三 日前には米虫さん、東斜面で既に一声を聞いている。
- 16日▼尾根筋東面の道路際で、アセビまさに花盛り。セイヨウタンポポも咲いている(内‐外回り清掃班)。
▼早春の使者、テングチョウお目見え。翅を全開して枯れた草の茎に止まり、淡い春の陽を一杯に浴びている。
▼諸処にヒサカキ♂花、♀花咲き始め。特有の香、林中にそこはかとなく漂い流れる。
▼東斜面に、ヤマナラシの♀花、長い花穂を幾房も連ね咲いている。階段横では和毛に包まれて♂花も伸び始め。
- 22日▼豊島高校北の冷谷池上空に、ツバメ二羽舞う。今年初認。
あけまして おめでとうございます
新年の目出度さを演出するナンテンやセンリョウは、葉の緑を背景として、赤色の果実がよく目立つ。いま島熊山に入ると、同じ印象を受けるものが他にも幾種類かある。地際のヤブコウジやマンリョウ、目の高さのアオキ、頭上のソヨゴやクロガネモチがそうだ。全て同じ緑と赤の2色配色を持つ。よく知られたことだが、赤と緑は補色関係をなし、合い寄れば互いを際立たせる間柄になっている。この目立つ対比はヒトの目だけでなく、野鳥にとっても鮮やかに映るらしく、2色配色はむしろ果実を積極的に野鳥に食べてもらうために進化した結果なのだという(紙谷智彦『植物はどのように鳥を誘引しているか』)。植物は果皮を赤く染めることで果実が熟れたことを鳥に知らせ、鳥はそれを見て実を食べ、果肉を栄養源として消化し、未消化の種子を遠くへ運び、フンとともに排出・拡散する。異種植物間に生じたこの進化の一致には、不思議さと驚きを禁じ得ないところだ。
12 月
- 8日▼オープンランド西側に繁るネザサを刈り進むと、中からコナラの一年生実生七ー八本が顔見せ。この時期、葉は一人前に黄や赤茶に変わっている。
- 15日▼林縁の日溜まりで、ヤツデの花にアブ、ハエ寄っている。
▼雑木林再生地内西ため池跡の丈高いカキの木に、残りガキまだ多数、朱に熟れたまま樹冠部の細枝に光っている。
- 22日▼観察路に積もる落ち葉の上に、ソヨゴの真っ赤な実、点々と落ちている。その赤は薄暗い空間の中にも鮮明。
- 31日▼夕刻、タヌキ一頭、特養東の階段傍から車道を横切り、豊島高校花壇奥の斜面へ抜ける。車のライトの間隙を縫い不器用に走る姿は、いかにも危なっかしい。
2014年 1 月
- 1日▼陽当たり良い尾根沿いに、モチツツジ五―六輪、季節外れに咲いている。
▼観察路南出入口近くで、カシナガの侵食受けて樹液吐くコナラ三株、新たに見つかる。
▼シャシャンボすっかり熟れる。甘酸っぱくて美味しい。
▼ミヤコグサ出入口の西小径に、タヌキの新しいフン見る。
- 4日▼山の黄昏時、年末にタヌキの走ったと逆方向から、イタチ(SP)、素早くしなやかに道を横切り渡る。
▼オープンランドに立つと、東の空三〇度に木星明るく輝き、西の空低くには針の月、今まさに沈まんとしている。
- 5日▼すっかり葉の落ちたカマツカの小枝に、真っ赤な実一つ。冬の薄陽を受け、輝いている。
▼太いコナラの幹の上、アオクサカメムシ一時の日光浴。
- 14日▼夜、林中の小径を歩くと、頭上高くに一三夜の月煌々と輝き、落葉した木々の影、林床に黒く伸びている。
▼朝日を浴びて、センダンの実、淡い黄に輝いている。
- 19日▼林床に、マンリョウの赤い実鮮やか。ハッと目を見張る。
▼緑の葉茂る間から、クロガネモチの赤い実、こぼれるほどに実っている。緑と赤の対比が鮮やか。
▼南東林縁のハンノキ、♂花はや開き、花粉飛び始め。
▼尾根沿いに、ソヨゴの真っ赤な実よく目立つ。
▼ナワシログミ、つぼみも花も実も、同時につけている。
▼赤い実ついたピラカンサの小枝くわえ、カラス飛び立つ。
落ち葉分け 我もときの子 あたま出し
上はテングタケ。丸い頭の幼菌から直径15cmになる大人まで。右の6本は種類不明。 雑木林再生地内を歩いたときのこと。陽当たり良い斜面の一隅に、大型のきの子が3種、20本あまりの小群落を作っていた。そこには生命という物が今し方世に出た勢いが漂っていた。胞子が着床した際の運不運から、互いが重なり肘を張り、押し合いへし合い大きくなった姿には、微笑ましさとともに生あるものの持つ悲哀が同居しているようでもあった。
10 月
- 13日
▼箕面船場西との境界尾根に、タヌキの新しい糞が見つかる。これまでに溜め糞があったと同じ場所(田方)
▼ツクツクボウシ、まだ鳴いている。数は少ない。
▼セイタカアワダチソウの花に、チョウ次々に顔見せ。ホシミスジはゆっくりと翅閉じたり開いたりしながら、モンキチョウ、ツバグロヒョウモンは♂♀何頭もが入り乱れ、日頃寄らないヤマトシジミやツバメシジミもこの時ばかりと参入し、ウラナミシジミまでが薄青の内翅輝かせて、チャバネセセリは一足先に傍らのササの葉上で満腹の一休みを満喫している。後日にはヒメアカタテハもテングチョウも姿見せ、チョウの観察会のよう。
▼エナガ、シジュウカラ、コゲラ、はや混群を形成。工作にいそしむ会員の傍らを枝から枝へ小刻みに飛び移りつつ、群全体はゆっくりと横へ移動。
- 22日
▼ススキ満開。銀穂揺れ、秋の陽日に輝いている。
▼小径沿いに、コウヤボウキ咲き始め。
▼タンキリマメのサヤ、赤く色づく。
▼ヌルデの実熟れ始め。実の周りは白い粉状物質が一杯。なめると酸っぱく塩辛い。鳥の好物。
▼林床で、ヤブコウジ色づき始める。まだ淡い桃色。
▼ヒヨドリバナ、モサモサと頼りなげに咲いている。
- 28日
▼林縁にコナラのどんぐり多数。足の踏み場に困るほど。中に頭を被り根を伸ばし始めたものも多い。
▼小径沿いで、ナツハゼの実黒熟す。
▼頭上見上げれば、ミツバアケビの実幾つもなり下がっている。中に果皮薄紫に色づき、割れた実では白い果肉と黒い種が顔見せている。メジロの大好物。
11 月
- 9日
▼クロマツ林の林床に、タヌキノチャブクロ大小が点々。
▼雑木林再生地内に、ウメモドキ真っ赤な実つけている。
▼南斜面は大型きのこが群生。傘上に白い粒々乗せて、テングタケ七本がニョキニョキ。大は傘の径十五cmから小は土中から出たばかりの小坊主まで。隣では互いを押しのけあいながら、コムラサキシメジが黙々頭出している。
- 17日
▼林中秘かに、ヒイラギの花開く。純白の花弁が瑞々しい。
ミヤコグサの小草原に
イヌコウジュ 突然群落で咲く
ミヤコグサの小草原を歩いていると、フと良い香りが漂ってきた。どこだろうと辺りを見回すと「あった」、足下に、小さな薄桃色の花を穂状につけた草が点々。イヌコウジュだ。去年までここにはなかったのに。しかも1株2株ではない。数10株が群生して、いちどきに咲いている。「もしかして…」と考えると、突然腑に落ちた。これまで南の小草原に毎年咲いていたのは知っており、昨秋の草刈り時、その種が何かの拍子に“ヒトの手”で運ばれたのだろう。ヒトを介した種子散布の一形態には違いない。
8 月
- 2日
▼例会時の休憩場所の傍らで、カシナガ侵食により枯れたコナラ一株見つかる。枯死木は島熊山で初めて。
- 5日▼オーシ、ツクツクと、林縁にツクツクボウシ鳴き始め。
▼夏の陽に翅輝かせ、ウスバキトンボ小草原を周回飛翔。
▼箕面との境界尾根に、タヌキの新しいフン見つかる。
- 9日▼ヤンマSP、小草原低くを悠々と横切って行く。
- 13日▼あちこちで、タカサゴユリ咲いている。
- 18日▼日照り続きで乾ききった草間から、ショウリョウバッタ♀やササキリ、ヒトの足に追われ勢いよく飛び立つ。
▼カーッと照りつける陽に焼かれて、ツマグロヒョウモンの翅の朱色、なおも燃え立つよう。
▼茂る葉に隠れるように、クズの花、赤紫に咲いている。
- 23日▼夕刻、夕陽の残照を背にツバメ数頭、一日の終わりの食餌に飛び交う。どこから飛来したのかコウモリ数頭もいつの間にか加わり、七―八個のシルエットが入り乱れ競演。
- 25日▼居待ち月の白く照らす草原で、マツムシ数頭、鳴き始め。早口で微かに濁った声。近くではハラオカメコオロギやいつ終わるとも知れないツヅレサセコオロギの柔らかな声も聞こえて、山に秋の気配忍び寄る。
9 月
- 9日▼ミンミンゼミ数頭、渋い声絞り出し、ゆったりと鳴いている。
▼茂ったクズの葉裏から、ショウリョウバッタモドキ、おどけた顔のぞかせてこちらの様子うかがっている。花ではハラナガツチバチ、長い尾部持て余しつつ吸蜜繰り返す。
- 11日▼小山状に積んだ枯れ枝の隙間に、サトキマダラヒカゲ一頭、スルッと入り込む。見ると隙間に伸びたササの葉につかまり、太い尾部曲げて産卵の様子。山で初認。
▼あちこちでヌルデの花咲き始め。白い小花がよく目立つ。
- 15日▼全身暗紫色に体染め、大きなムラサキチドメSP一つ、顔出し。頭部に開いた穴からは同色の胞子、足下に飛散。
- 19日▼湿った林縁で頭垂れ、ボントクタデ赤や桃色に咲いている。イヌタデもいま咲き始め。近くではイヌコウジュが突然の小群落を形成。この草原で咲くのは初めてのこと。
▼青紫の実を赤いガクで着飾って、クサギの実熟れ始め。
▼草間に隠れるようにして、ヤハズソウそっと咲いている。
緊急報告 島熊山をカシナガが侵食 初めてのこと
9本の穿入木を手当
一昨年来の心配が、ついに現実となった。島熊山にカシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)が侵入してきたのだ。頭の中では十二分に承知していたこととはいえ、穿入の証拠となる真新しい木屑が、親しんだコナラの根際に散らかっているのを目の当たりにした時は、さすがに衝撃が走った。膝をつき身体を屈めて、白っぽく光る木屑を改めて確かめながら、体内にカシナガが何頭も食い込んだ樹木のこれからを思うと、思わず悲しみががこみ上げてくるのを禁じ得なかった。
カシナガに孔を開けられ、侵食を受けた木(以下、穿入木)を島熊山で初めて見たのは、夏至が過ぎ、6月も終わりにさしかかった29日のことだった。既に3年前から箕面山中でカシナガの侵食拡大防止に取り組んでいる「NPO法人・みのお山麓保全委員会」(以下、山麓委)のTさんから「箕面の山で(今年の)カシナガの食害が出てきました。(皆様の)活動地で食害が始まっていないか、点検して下さい」との情報と助言をいただいたのが始まりだった。一報を受け、初動が遅かったかも知れない、との不安がよぎった。それだけにとにかく、かねて「最も危ない」と読んでいた〈豊島高校との境界―箕面市船場西との境界尾根―新御堂筋〉に挟まれた尾根散策道をまず調べに向かった。これまでに二度、「島熊山を北に向かって歩く」として、守る会で遊歩した小径だ。この小径沿いにはφ30cmを超えるコナラやアベマキが50本余り生育し、それ以下を含めると悠に100本を下らないコナラ属の木々が並んでいる。半数を占めるこの大径木こそカシナガ侵入初期の標的になりやすい“要注意木”であるとされ、しかもその多くがカシナガの好む3大環境要素=@明るくA風通し良くB下草が無いか乏しい=を満たした“危険地帯”にあった。そして調査を始めて20分後、ミヤコグサ小草原から豊島高校境界へと昇る途中に、早くも木屑を噴いた太いコナラが見つかったのだ。
6 月
- 2日▼花こずえにあふれ、香り辺りに満つるセンダンの上空を、ツバメ20数羽が入り混じり、早足に乱舞している。花と香に引き寄せられる小虫を追ってなのか、興奮気味に樹冠上を何度も何度も飛び交っている。
▼シバグリの花咲く。♂花一色に見えるブラシ様花房の付け根に、イガに身を包んだ♀花もぽつりと咲いている。
▼クロマツの1年枝に、マツノアワフキがブクブク。
▼セイタカアワダチソウの茎に、赤色のアリマキSP多数が口器刺して吸汁。周りでは天敵のテントウムシもウロウロ。
- 3日▼千里少年文化館奥の林中で、キビタキ鳴いている。澄んで柔らなさえずりは、聞く耳に染み通ってくる。
- 4日▼雑木林再生地内でウメモドキ咲く。ヤブムラサキはすでに花終えて、実ができ始め。
▼南小草原の道路際近くに、ノアザミ点々と咲く。スックと立つ茎に吊り下がり、クララも多数花つけている。
- 9日▼林縁で車座に座るヒトの輪をよぎり、ヒカゲチョウ1頭、黒い影のごとくハタハタと駆け抜けて行く。
▼風になびようにして、オカトラノオ、咲き始め。
- 29日▼尾根や林中の4ヶ所に、カシノナガキクイムシの浸食見つかる。いずれも初期で、島熊山では初めてのこと。
▼暗い林床にヒメツチグリSPが点々。6足で起ち上がったその上に蛸壺様の頭乗せ、エイッと踏ん張った姿が面白い。
▼夏の陽に翅金色に輝かせて、オオシオカラトンボ♀休息。
▼林中にスノキの実、黒く熟れている。箕面との境界尾根傍では、大木のヤマモモの実たわわ。いままさに熟れ時。
▼ミヤコグサ小草原奥にできた小池で、ギコギコとカエルSPの声。
7 月
- 2日▼林床の丈低いクスの周りを、アオスジアゲハ1頭、細かく位置変えながら飛翔。シアンに輝く紋様が幻想的。
▼薄暗い林床にヤブコウジの花咲き始め。傘状の花が可憐。
- 5日▼ミヤコグサ小草原に、チョウトンボひらひらと舞う。
- 21日▼雑木林再生地内は木々の花終わり、果実でき始め。地際にはヤブコウジ、目の上にはネジキ、シャシャンボ、カクレミノ、頭上高くにはヤマガキも青く膨らんでいる。
▼ヤマザクラの太い幹に、クマゼミ15-20頭が鈴なり。
島熊山緑地にゴヨウアケビ見る
アケビ3種が併存
「島熊山緑地協議会」恒例の、春の自然観察会でのこと。少年文化館駐車場横のフェンスを入ってすぐ右に、アケビの花が見頃に咲いていた。白紫の大きな雌花に小さめの雄花、葉は5小葉、と皆で確かめる。数メートル歩いてミツバアケビも登場。こちらの雌花は黒紫で少し小ぶり、雄花はさらに小さい黒紫で葉はミツバ(3小葉)。「な〜るほど」と、両者の違いに納得して、皆さらに歩く。雌花が黒紫のミツバアケビ再び登場…と思いきや、葉は5小葉。アレ? おまけに葉にゆるい鋸歯もある。
…帰って調べ、アケビとミツバアケビが自然に交配したと思われるゴヨウアケビとわかりました。 (文:北緑丘 易 信子)
4 月
- 5日▼ミヤコグサ小草原南西端の、春一番に花開くコナラ、割れた冬芽から早くも雄花長く下垂し、多数のつぼみつけている。開花はもうすぐ。
▼奥に拡がる小草原に、モンシロチョウ、ベニシジミを見る。今年初認。
▼高い梢の上空を、ツバメ二羽、ギュルギュルと鳴きながら飛び交う。
▼山のあちこちでシュンラン花開く。
▼階段上の小草原小径に、コニワハンミョウの巣穴、クルリと開いている。地下での越冬から今お目覚め。
▼神戸層群上の小径で、アゲハチョウ、目の前を慌ただしく駆け抜けて行く。今年初認。
▼尾根小径沿いに、ザイフリボク咲いている。少し縮れたような純白の細長い花弁が綺麗。
- 12日▼南側小草原の林縁に、アリアケスミレ咲いている。ヒメスミレはまだ。
- 14日▼ヒーホーヒーと林の奥で、イカル口笛吹くように歌っている。その声春風に乗り、澄んで流れ来る。
▼豊島高校との境、稜線にヤマツツジ朱に咲いている。スノキも薄く紅色を帯びて咲き始め。
▼柔らかな黄緑に染まり、サルトリイバラ咲いている。
- 15日▼長い柄の先に、ナツグミの花咲き始め。甘い香漂う。
▼少年文化館奥にミツバアケビ咲く。濃い葡萄色の雄花雌花が瑞々しい。隣には並んでゴヨウアケビも咲いている。こちらは花の色は同じも、葉の数は五枚と多い。
▼ゲッケイジュ咲いている。淡い黄の花がボヤッと柔らか。
▼林中にひときわ高く、クロバイ、小枝一杯につぼみ膨らんでいる。いま開花寸前。
▼ブチョチョチョと警戒声上げて、シロハラまだいる。
▼奥の小径を、ツグミ一羽、採餌にと小走りに駆けている。今年は渡り鳥の帰郷が少し遅いのか。
▼若葉萌えるコナラの梢で、メジロ、いつまでも複雑にさえずっている。その唄中に時にイカルの真似も混じる。
▼羽音立て、眼前にメマトイいつまでもつきまとう。
▼尾根裸地のシバグリの新芽に、虫こぶ膨らんでいる。ほんのりバラ色に色づいて、新鮮な果実のよう。
▼観察路に入る横道傍に、コバノガマズミ、パチンと目を見開いたようにして開花。カマツカも今、咲き始め。
- 19日▼マルバアオダモ咲いている。糸様の白い花弁が多数集まって、辺りはボヤッと白く霞んだよう。
▼ヤマナラシ♀花の綿毛、春風に乗り音もなく眼前を流れゆく。ゆったりとした時間との出会い。
▼豊島高校の東側斜面、道路際にフジの花咲き始め。
▼ミヤコグサ小草原北西の林中に、大きなサクラ(SP)二株咲いている。淡い桃色が拡がって艶やか。
- 21▼小草原出入口はオヘビイチゴのじゅうたん。黄の花が一面に拡がり目に眩しい。ニガナ、ブタナもちらほら。
▼西ため池傍、薄暗い中に、モチノキ質素に咲いている。
▼階段横でナワシログミたわわに実り、赤く豊に熟れる。
5 月
- 9日▼レンギョウの若枝やノイバラ、はてはスギナにまで、アワフキムシ恒例のブクブク始まる。誰かの唾のよう。
▼アベマキの若葉巻いて、ヒメクロオトシブミゆりかご作り。上方二mの小枝には八個ものゆりかごが集中。
▼高いコナラの小枝から、長〜い糸引いてガの幼虫一頭、緑の風に揺られつつ、新世界へと命懸けのブランコ。
▼モチツツジ、あちこちでまだ花盛り。
▼ウグイスの声久々。風に乗り澄んだ声流れ来る。
▼コナラの枝先に、ヒメリンゴのような虫こぶ七つ八つ「実って」いる。色や皺のより方が違い、表情豊か。
▼スイバの葉裏でヨコバイの脱皮に立ち会う。
▼神戸層群上にヤブジラミ咲いている。実もできかかり。
- 12日▼観察路東の林縁に、マユミ咲いている。エイッと十の字に拡げた黄緑の花弁が愛らしい(河原)。
- 14日▼島熊山緑地で、キビタキ軽やかにさえずり。渡りの途上。
- 19日▼あちこちで、スイカズラ金銀に咲いている。
▼エゴの花、今まさに咲き始め。真白な花、雨中に鮮やか。
▼林縁に大きなカナメモチ満開。全身花房で飾っている。
アレッ?ちょっと見は・・・実
その実は虫こぶでした
↑アレッ、ソヨゴの大きな実! でも…少し変。長ーい柄がない。赤くもない。表面は凹凸だらけ。
←アレッ、アオキの実が熟れずにまだ残っている。でも…小さいし形がいびつ。栄養不足で大きくなれず緑のままなのかな。片側だけが真っ赤なのも不思議。
──これ、実は両方とも実ではなく、虫コブなのだ。中に寄生バエの幼虫が住んでいて、食料庫を兼ねた逸品なのだ。今年は不味い実まではや食べ尽くされているのに、虫コブがまだ残っているのは何故?野鳥はそれが本来の熟した実ではないと、どこかで識別しているのだろう。
2 月
- 10日▼すっかり葉の落ちたコナラで、エナガばかり六―七羽が採餌。小枝にぶら下がったり隣に飛び移ったり忙しそう。
▼間伐作業の喧噪に追われ、越冬中のキチョウ、仕方なく足下から飛び立つ。目覚めが浅いのか、ふらふら。
▼旧「馬の背」にドバトの羽散乱。近々食べられた様子。
- 13日▼フユシャク(SP)♂、夜も飛んでいる。♀を捜してか、懐中電灯の光束の中を、白く光りつつよぎって行く。
- 16日▼夕刻、タヌキ一頭、不器用に道横切って山中に消える。
- 17日▼クロマツ林でヒガラ、メジロの混群、まつぼっくりから種子ほじり盛んに食べている。地上ではツグミやビンズイの歩くも見る。シロハラも顔見せ。
▼ルリビタキ♀見る(高妻)。
▼山中に、シュンランのつぼみ膨らむ。羽衣着けたよう。
▼ソヨゴの枝先に、茶色の虫コブ三つ四つ。
▼ハンノキの♂花穂開き、花粉散り始める。
3 月
- 11日▼ヤマナラシ♀花咲く。♂花はまだ開いていない。
- 15日▼尾根沿いに、ヒサカキの花ポツポツと咲き始め。
- 16日▼ミヤコグサ小草原の北端で、ビロードツリアブ初認。枯葉の上で日光浴している。クロマツ林でも見る。
▼尾根横の丈高いコナラの梢で、マヒワ、さえずり様の声で春を奏でつつ、新芽ついばんでいる。
▼三叉路緑地帯に、ナズナ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ楚々と咲いている。白、紫、青の対比が綺麗。
- 17日▼ヒイラギナンテン、あちこちで開花し始める(谷)。
▼南林縁に、ヒカンザクラ開花。濃い赤紫の花弁が幾重にも重なり、早春の山中に鮮やか。
▼アセビ開花。白い半透明な花弁が瑞々しい(石田)。
▼クロマツ林の北端で、早春の使者テングチョウひらひらと舞い、時に日光浴。場所を違え何頭も見る。
- 19日▼電線にヒレンジャク一羽、ぽつねんと止まっている(久下)。
- 24日▼神戸層群上、陽当たり良い尾根筋にカンサイタンポポ開花。近くではルリシジミ見る。いずれも今年初認。
▼ヒオドシチョウ初認。越冬から目覚めて日光浴。
▼コバノミツバツツジ、一輪二輪と咲き始め。今年初。
つくろう 深く豊な雑木林
めざそう 虫や鳥けものたちの棲みやすい場
明けましておめでとうございます。 島熊山の諸活動も、総会に続く「清掃ハイキング」「モニ1000植物調査」で今年の幕を開けました。新しい1年、またよろしくお願いいたします。
◆今年は「森の手入れ」が始まって14年目を迎えます。いま現役で活躍されている方々、そして諸事情からこの現場を離れられた多くの方々の偉大な努力の積み重ねによって、あれほど鬱蒼としていた竹林は大きく後退し、跡には雑木林再生の萌芽が豊かな色合いを帯びながら着々と根づいています。10年先、20年先には、一昔前に見られた〈アカマツ−コナラ林〉の復活が大いに期待されるところです。
◆ただ、その過程で忘れてならないことがあります。万葉の遙か昔からこの地で連綿と命の綾を紡ぎ続けてきた、名も無い先住の生き物たちのことです。開発の荒波は無数のけものや鳥、虫や草木を一気にこの狭い丘陵に追い詰めました。もはや逃げ場はありません。島熊山は豊中最後の〈聖地〉となりました。「森の手入れ」がめざすのは、かの生き物たちが棲みやすい場となる手助けをすることにあります。それを忘れて手入れ活動は成り立ちませんし、いかなる未来を創ろうとするのかも決して見えてこないのです。ことし1年をかけて、このことを再確認していきたいと考えます。
12 月
- 9日▼奥の院のため池跡土手に、ヤブコウジの新たな小群落見つかる。敷き詰められた濃い緑の葉間に、小さな赤い実、ちらほら顔のぞかせる(井坂)。
▼丈10mにも育ったフサアカシアの中木見つかる(東)。
▼奥の院の小径近くで、スズメバチ(SP)の今年の巣発見。中にまだ女王バチ?生きて残っていた(東)。
▼薄陽射す青空の中、小草原上を渡る風に乗り、コナラやフジの葉がキラキラ光りつつ、舞い落ちている。
- 16日▼南小草原林縁に、フユイチゴ朱に熟れている。
▼他の木々の下で、ヒイラギひっそりと咲いている。真っ白い小花は時に光を反射して輝き、甘い香ほのか。
▼長〜い柄の先にぶら下がり、ソヨゴの赤い実二つ。
▼西ため池跡に鈴なりだったカクレミノの実、一か月でほとんど無くなっている。野鳥の好みなのか?
▼ミヤコグサの小草原林縁に、ヒヨドリジョウゴの実、緋紅に熟し、多数吊り下がっている。
- 24日▼コナラの幹巻いて、サネカズラの赤い実、鮮やか。
▼師走入り後の三週間で木々はほとんど葉を落とす。林縁は落ち葉に埋まり、カニノツメでにぎわった跡も静まって夢のよう。夕方には今冬初の雪。
- 27日▼ウソ、雄雌混じって四―五羽が樹上で採餌の様子。フィッ、フィッと鳴き声も聞こえる。
▼メジロ、ヤマガラの混群に混じったヒガラ、松ぼっくりをほじっては中の種子ついばんでいる。
1 月
- 2日▼葉の落ちた小枝に、ハラビロカマキリの卵嚢一つ光る。
- 20日▼アオキの実、青いまま食べられずに残っている(田村)。
▼コウヤボウキの綿毛、薄紅に染まり綺麗(谷)。
▼タチバナモドキの花二輪、季節外れに咲いている(谷)。
▼階段横のヤマナラシ、雄花の芽鱗割れ始め。和毛に包まれたつぼみ、顔のぞかせている。
▼アオツヅラフジの黒紫色の実つぶれ、中からアンモナイトにそっくりの渦巻く種子一つ、飛び出す。
▼神戸層群南の樹冠で、ヒヨドリ一〇数羽、騒がしいほど繁く鳴き交わしつつ、木から木を行ったり来たり。
転がる玉子突き破り
カニノツメにょきにょき
砂浜で、利き腕を降るシオマネキのはさみそっくり。ツメは白も淡い朱色もあった。後日には三本ツメの親菌体も見られた。
◆ミヤコグサの小草原、刈り積まれた草が朽ち始めた一角に、その茸は見つかった。幾つもある白い玉子様のものが子で、親茸はそれを破って出てくる。「サンコタケ」か「カニノツメ」かと意見が飛んだが、玉子から突き出した”ツメ”はその時どれも2本だったので、カニノツメに落ちついた。
◆試みにツメの先端、内側の粘液に触った指を嗅ぐと、何ともいえず臭い。これが話に聞いた臭いだったのかと納得する。幼菌の中を見たくて、1つを取り上げ白い皮をめくると、驚いたことに中は透明なゼリー状物質で満たされており、濃い鶯色に沈んだ楕円体の固まりが1つ、ゼリーに包まれて収まっていた。「親の素」なのだろう。まるで玉子の白身と黄身とのようで、どこかエイリアンの不気味さを漂わせていた。この白身や殻からは猛烈な悪臭は立ち昇らず、むしろ茸類特有の香りが鼻をくすぐったのが不思議でもあった。(写真提供=土田泰子さん)
10 月
- 7日▼階段上草原で、マツムシ明るいうちから鳴き始め。
▼セイタカアワダチソウの花は蜜や花粉求める虫たちで大 賑わい。ニホンミツバチは花粉で太股膨らませ、ハラナガツチバチは長い尾部持て余しつつ、ツマグロヒョウモンは軽やかに、アオスジアゲハは羽ばたき絶やさず、ベニシジミはじっくり腰すえて、それぞれの仕方で吸蜜。
▼エナガ、メジロの混群、鋭く鳴き交わしつつ移動。
▼ヒヨドリ10羽の小群、青空背に頂から頂へと渡る。
▼再生地北尾根径に、新しいタヌキのフン重なる。
- 21日▼三井マンション向かいの林でアカゲラ見る(高妻)。
▼オオカマキリ、背に♂乗せ交尾のまま、吸蜜に訪花したミツバチ捕らえて頭からガリガリかじっている。
▼キタテハ訪花吸蜜。冬越しの準備に余念ない。
▼アケビの実、淡い小豆色に熟し割れている(社)。
▼南小草原にイヌコウジュ咲き、良い香り流れる。
▼林縁に、タンキリマメのサヤ紅く色づく。
- 25日▼尾根径に、コウヤボウキの花、ちらほら咲き始め。
11 月
- 4日▼チッチと軟らかく鳴いて、アオジちらっと姿見せ。
- 6日▼豊島東小草原に、アキアカネ♂二頭♀一頭が飛び交う。
- 8日▼フユノハナワラビ、水煙のごとく花穂起ち昇っている。
▼山中にヤマハゼ、ヤマウルシの葉、紅く燃え色づく。
▼アキノキリンソウ二株、可憐に咲いている。
▼頭上低くをかすめ、ヤマガラ一羽、向かいの枝に着地。
▼クロガネモチ、枝先一杯についた赤い実が鮮やか。
▼林の奥からブチョチョチョと、シロハラの警戒声一発。
▼チャッチャッと地鳴きして、ウグイス、ササの中を移動。
- 10日▼島熊山緑地の林縁に、ゴンズイの実、赤く鮮やか。
▼古池近くの暗い斜面に、大きなホコリタケ七―八個。触ると頂部から茶色の菌糸、煙となりブホッと噴出。
- 13日▼クロマツ林でマヒワ二〇羽の小群、一斉に飛び立つや上空を大きく旋回して、また元に戻り、の繰り返し。
▼林縁に積まれ朽ち始めた枯れ草の上に、カニノツメ突如ニョキニョキと出現。白い小玉子様の幼菌を割り、白や淡い朱に染まる蟹の爪そっくりの腕を突き出している。
黄昏の小草原で
しばしルリタテハと遊ぶ
腕の上で、初め強かったルリタテハの警戒心はすぐに薄れ、翅を八の字に広げてすっかり落ちついた。日没後の残照が濃い瑠璃色の翅に微かな赤みを添える。胴と尾は驚くほど丸々と太く、翅の付け根には柔毛がふさふさ伸びている。雄なのだろう。近くをウスバキトンボや仲間のルリタテハが過ぎると、追尾にバッと跳躍し勢いよく飛び出す。シャツを通してその衝撃が伝わる。暮れなずむ空に姿は消え、やがてまた軽い衝撃と共に腕に降り立つと、翅を深く広げて落ちつく。それを何回か繰り返して30分、やがて前触れもなく飛び立った後、迷いながら次に舞い降りたのは少し離れた草の葉だった。初めに会った時同様に翅を閉じ、立てた姿で、今度こそ1日の眠りに就いていった。
8 月
- 9日▼道行く人にこれ見よと、タカサゴユリ五つ六つ、真白に光り咲いている。濃い緑を背景に、純白が楚々として鮮やか。
▼オーシツクツクと、行く夏の始まりを告げて、ツクツクボウシ鳴いている。アブラゼミとクマゼミも合唱して、季節はいま、まだら模様。
- 18日▼夜、マツムシ数頭鳴いている。デンデケデンと聞こえるほどに声は濁っており、音域も低い。ごく最近鳴き始めたばかり?アオマツムシはリーリーと今が盛り。
9 月
- 2日▼トックリバチ一頭、小径で巣材の泥集め。何度も場所を変えながら、降りては飛び立ち、を繰り返す。
▼雨上がり、陽を浴びて雨滴が光るクズの葉の上で、チャバネセセリ、ぼんやりと静止。円らな瞳に何思う?
▼夕刻の小草原で、眠る前のルリタテハとしばしの戯れ。
- 8日▼神戸層群上、陽当たり良い尾根小径に、マルバハギ桃紅色に咲いている。訪花のハラナガツチバチ、いちいち花弁を抱えては吸蜜、を繰り返し、花々を順序よく回っている。キマダラセセリは気の向くままに軽々と、チュッと吸っては離れた次を訪花しており、対照的。
▼尾根で空を見上げれば、丈高いコナラの樹冠が作る空間で、ウスバキトンボ8〜10頭が勢いよく行ったり来たり、波状飛翔の繰り返し。小虫の群に飛び込んでの採餌行動か。飛び方も速さも見るからに興奮気味。
▼薄暗い林床に、大きなシロオニタケ、傘全開し、ボッと白く浮かんでいる。幻想的。
▼ジョロウグモ♀二頭、互いに腹部向き合わせ、至近距離で網張っている。その網は最奥部で微妙に絡み合い。
▼林縁に、ノシラン七―八株、白々と咲いている。
- 13日▼階段うえ小草原に、ヤハズソウ、淡い紫に咲き始め。
- 14日▼神戸層群上、マルバハギにルリシジミ飛来し吸蜜。
- 16日▼ジョロウグモの巣に、ツクツクボウシ捕獲されている。
▼イノコズチ、花と実が混在し、林縁に群生している。
▼林縁の草地に、ボントクタデ頭を垂れて咲いている。イヌタデ、ヤブタデもちらほら、薄桃色に咲いている。
▼クロマツ林の北はずれに、山で初めてカゴノキを確認。
生まれながらの生き抜く知恵
後翅噛ませて捕食逃れる
パチンと大きく見開いた黒い切れ長な瞳、ツンと上向きに尖った鼻、、足には白地に黒帯のストッキングをつけて胸を張る小型の愛らしいチョウ。でも…よく見るとどこか変。後翅の後部に本来あるはずの長い「尾」と赤紋、丸い黒紋が見あたらない。その部分がそっくり欠けている(写真では立てた翅の右部)。実はこれ、野鳥の一撃を受けた傷跡なのだ。このチョウは静止時、ヒトが手を擦り合わせるごとく、閉じた翅を絶えずゆっくりと上下に動かす。その時、微動する二本の長い「尾」と黒い紋が作る光景が、鳥にとってチョウの触覚と目玉に見え、そこを頭部と錯覚した鳥は捕食に向けてくちばしの一撃を加えるという。翅を噛みとられてもチョウは致命傷を負うことなく、面食らう鳥の一瞬の隙をついて難を逃れることになる。誰に教わったのでもない、生得の生きる知恵が垣間見られた1コマだった。
6 月
- 6日▼ミヤコグサの小草原に、チガヤ風に波打ち、咲き乱れ。
▼南小草原道路際に、クララ咲き始め。
▼紫の中にごく淡い桃色の花交え、ノアザミ咲く。若い花の先端には、花粉びっしり噴き出している。
▼クリの花咲き始め。どこにいたのかコアオハナムグリ多数、ワッシと花房抱きかかえ、無心に蜜なめている。
- 10日▼オカトラノオ咲き始め。太い虎の尾状の元側から細く波打つ先端へ向け、白い小花、順に開いて行く。
▼林内の梢で、ホイホイホイとサンコウチョウらしき声。
- 17日▼ナンテン、アカメガシワ、諸処に咲き始め。
▼ヤマウルシの果実、剛毛も張り、緑、目にも鮮やか。
▼ホタルガ、薄暗い林内をヒラヒラと通り過ぎて行く。
▼林床にパラパラと小花落とし、ネズミモチ咲いている。
▼アベマキの皺深い幹に、キマワリ一頭ウロウロ(田村)。
▼林縁の大きなタチバナモドキの周りに、ウメエダシャク何頭もがヒラヒラ舞っている。この木で羽化か?
7 月
- 8日▼林縁を、モンキアゲハ一頭、力強く駆け抜けて行く。
▼白く光る釣鐘状の小花を小枝一杯に吊り下げて、シャシャンボあちこちで咲いている。
▼トラトンボ(オニヤンマ)、上空を過ぎりゆく(東)。
▼尾根沿い、樹冠間に拡がる空間を、コシアキトンボ四頭が縄張りを張り、互いを牽制しつつ周回飛翔。
▼湿ったアベマキの葉裏に、コウガイビル一頭見つかる。
▼渋く緑紋を散らして、ウンモンスズメ初見(東、社)。
- 10日▼ヤマナラシの小木で、サクツクリハバチの幼虫、葉を食みている。葉表も葉裏も、幼虫の周りには白い柵が結界様に林立。
▼細かく切りちぎった葉片で体を覆い隠して、ハムシSP、ヤマナラシの葉上をゴソゴソと移動。擬態の一種?
- 15日▼林床に、ヤブコウジ人知れず咲いている。
▼リョウブ花盛り。花房勢いよく八方へ伸び立つ(谷)。
▼尾根径に、間隔おいてタヌキの糞2つ3つ。健在の証。
▼今年新設の樹液酒場に、カナブンやクワガタSP大集合。
- 17日▼モンキチョウ二頭、長〜い交尾の舞いの果てに決裂で幕。
- 18日▼林の奥からチィ――とニイニイゼミの声。今年初聞き。
念願かないやっと出会えた マツの幼芽
どこで見たのか今ではどうしても思い出せないが、心に残る1枚の画像があった。マツの発芽をとらえたものだった。実生にとってはきめ粗いほどの土を押しのけて、この世に生まれ出た幼芽が種子の帽子を被ったままの姿で「やった!」と肘を張っている光景だった。それはもう、森を流れる時間の中ではほとんど瞬間といって良いものだったろう。以来10数年、「こんな写真を撮りたい」と思ってきたのが、嬉しいことに今年、偶然にも念願かなった。別の被写体を求めて歩いていた折、林床に積もる落ち葉の中から毅然と起ち上がった幼芽に出会ったのだ。幸運という以外にない遭遇だった。
3 月
- 27日▼尾根小径を抜けた裸地で、今年初めてヒオドシチョウに出会う。そこで止まったまま翅を広げたり閉じたり。
▼尾根の陽溜まりでビロードツリアブを見る。茶褐色の長い毛が飛ぶたびに輝き、きれい。
▼三叉路南側、草の斜面に、ツクシちらほら顔出し。
- 29日▼ヒオドシチョウの裸地に、今日はアカタテハ=今年初認が陣取っている。隙を見て侵入のヒオドシチョウをそのたびに猛追し追い払う行動を、何度も繰り返す。
4 月
- 4日▼ミヤコグサ小草原上を、ツバメ飛び交う。今年初認。
- 10日▼山にコバノミツバツツジ咲き始め。まさに昨日から?
▼尾根小径低くを、キチョウ一頭、ヒラヒラと飛ぶ。
▼階段うえの小草原に、コニワハンミョウが巣穴開け始め。中に幼虫がチラッと見え隠れしている。
▼クロマツ林で、北への移動近いアオジ見る。胸に色づく黄が美しくも鮮やか。近くのヤマザクラではメジロとスズメが吸蜜に大忙し。メジロは正規に蜜を吸うも、スズメは花ごと引きちぎっては噛み、吸って、捨てている。
- 13日▼階段横のナワシログミの実、赤く色づき始める。
▼尾根の東斜面に、コブシの白い花咲いている。
▼神戸層群上の小径沿いに、カンサイタンポポ点々と開花。透明感満ちる黄の色がいかにも瑞々しい。
- 15日▼山中深くにも春の訪れ。濃緑色の葉間にヤマモモの♂花開く。高木の陰ではアオキが赤褐色の花開き、地表近くにはサルトリイバラの淡い黄緑の花も弾ける。
▼アゲハチョウ、初認。クロマルハナバチも見る。
- 21日▼セイヨウミヤコグサ、ポツポツと咲き始め。枯れ野の中でそこだけが緑に盛り上がり、咲いた黄の花が鮮やか。
- 28日▼登口階段手前で、空からユラユラと白い綿毛、音もなく流れくる。ヤマナラシ♀花の実が風に飛んでいる。側溝に張ったクモSPの巣も白く積もって、クモも大変。
5 月
- 3日▼林縁にヒメコウゾ、尾根筋にはカマツカ咲き始め。
▼コバノミツバツツジは終わり、モチツツジが花盛り。
▼ミヤコグサの小草原で、チョウ五種が初顔見せ。ツマグロヒョウモンは止まっては飛び回るを繰り返し、ルリタテハは今年生まれか新鮮個体。ヒメウラナミジャノメ、ホシミスジ、アオスジアゲハもみなこの春生まれ。
- 4日▼ハンノキの若葉巻き、ヒメクロオトシブミのゆりかごはや五つ六つが下がっている。同じ木で、瑠璃に輝くハンノキハムシ多数がせっせと若葉食みている。
▼センダンの冬芽弾け、つぼみと若葉、ビョンと顔出し。
▼コバンソウ、どれもが頭たれ始め。
▼セイタカアワダチソウやノイバラの若茎で、アワフキムシのブクブク始まる。ヒトの吐いたツバのよう。
▼林縁の草間低いところに、ジョロウグモ幼生、はや一人前の巣張っている。
▼ヒーホーと口笛吹くように、イカル遠くで鳴いている。
▼陽当たり良い東南斜面に、スノキ咲いている。淡い赤や白に染まる釣鐘状の小花、小枝一杯に吊り下がる。
- 9日▼アシナガバチ、ヤマナラシの葉間でイモムシ捕らえるや、大あご器用に使ってたちまち肉団子にしてしまう。
▼オープンランドに、死んで間のないクロコガネ一頭。
▼満開のヤマウルシ♂花に、どこから集まるのか、コアオハナムグリ何頭もが花房にしがみつき、花粉食べている。
▼小草原に、ニワゼキショウぽつぽつと咲き始め。
- 13日▼ルリタテハ終齢幼虫、枯葉の上でじっと静止。食草のようではなく、蛹化する前の行動?
▼モンキアゲハ一頭、手入れで倒した若竹の切り口周りで逡巡しつつも、サッと立ち寄るや急ぎ竹水を飲む。
▼スイカズラの若蔓に、鳥の糞に化けた尺取り虫静止。
- 20日▼新御堂そばの小草原で、ヨツバムグラ初めて見つかる。細い茎はいかにも弱々しく、節ごとに咲く花も極微小。
▼スイカズラ、あちこちで咲き始め。
▼山中にはシャリンバイ、トベラの白い花が満開。
▼薄暗い林縁に、エゴの花白く、ヒト知れず咲いている。
▼コナラの若葉の上、ナナフシの幼生、微妙に揺れながら止まっている。風の一なでで飛ばされそうな細さ。
もうすぐ子育て エナガ
3月8日、島熊山尾根筋を歩く。
エナガが2羽で行動を始めていた。繁殖の季節だ。
すぐ目の前の笹の茎にとまった!距離はほんの1mほど。こちらを気にする様子もない。エナガほど物怖じしないというか人を気にしない鳥も少ない。まるでこちらの存在を無視している。しかし本当に可愛い!そのうちに羽を口にくわえて運ぼうとした。どうやら自らの抜けた羽のようだ。
自らの羽を使って巣作りをするのだろうか。この森のどこかで、小さな命がまた生まれるのだろう。
2 月
- 19日▼固かったハンノキの雄花開き、花粉飛び始める。触れるとしなやかに揺れ、黄緑の花粉が飛散す。
▼カンサイタンポポ咲く。今年初めて。
▼道路際近くの山裾に、ヤブツバキの開花見る。近くではアセビも咲き始め。釣鐘状の花が愛らしい。
▼あちこちで、コバノミツバツツジのつぼみ膨らむ。
▼南小草原林縁に、ハゼノキ見つかる。山で初めて。
▼千里少年文化館そばで、コガタスズメバチの古巣見つける(高妻)。
3月
- 3日▼雑木林再生地内で、ヒサカキ咲き始め。今年初めてのこと。早春の訪れ感じる。
▼クエッと鳴いて、ツグミ数羽の小群、山にお目見え。
- 6日▼豊島東の林中で、朝ウグイス鳴いていると連絡あり。
- 8日▼ミヤコグサの小草原で、モズ♀の縄張りに♂侵入も、♀は追い立てもせず静観。間もなくつがいになるのか。
▼尾根筋で、エナガ二羽が仲良く目の前に止まる。巣作り、子育ての準備のようす。
▼クロマツ林で、ルリタテハ一頭、ウラウラと日光浴。
- 11日▼夏の名残、コクワガタの頭部落ちている(高妻)。
- 15日▼水場東の林床に、テイカカズラの古い種子落ちている。弱い冬の陽射しの中で、冠毛が白銀に輝き綺麗。
▼諸処にヒイラギナンテンが開花。淡い黄色の花が緑の葉に囲まれて、よく目立つ。
▼豊島東の林床から、突如ヤマシギらしきが飛び立ち、落葉した樹間を縫って飛び去って行く。
- 18日▼南小草原林縁に、ヒカンザクラ開花。濃い紅の花がひときわよく目立つ。
- 20日▼新御堂そばの小草原に、シロバナタンポポ一輪、スックと咲いている。山で初めて(高妻)。
▼雑木林再生地内で、コナラの幹にフユシャク♀一頭、静止。近くを♂が弱々しく飛んでいた。
▼シュンランのつぼみ、大きくなる。
- 21日▼ヤマナラシ♂花開花。濃い赤が華やか。♀花も開く。
ロウバイ咲く
豊中市内一斉の水鳥調査で、早朝、少年文化館に集まった時に咲いていたのを撮った。淡い黄で半ば透き通る花弁は、緑が抜け白黄化した葉と混在して、スッと体をよぎる寂しさと清さを漂わせていた。「しらじらと障子を透かす冬の日や室(へや)に人なく臘梅の花」(植物短歌辞典より)とは窪田空穂の詠んだもので、ロウバイの持つ風情をよく伝えている。この抜ける寂しさを補うかのように花の発する香りは強く、辺りに澄んだ鋭い香気を漂わせていた。それにしてもこの香りに引かれ、厳冬期に送受粉を手助けするのは、いったい何虫なのだろうか。
12 月
- 11日▼雑木林再生地内に、シュンランのつぼみ伸び膨らむ。
▼ヤブムラサキ、島熊山で初めて見つかる。
- 18日▼トベラ、緑の果皮裂けて、朱に色づく種子顔出し。
▼南小草原林縁で、フユイチゴの実、真っ赤に熟れている。透明感あふれる粒はいかにも瑞々しい。
- 30日▼コナラに巻き付き這い昇り、サネカズラ、赤い実を 小さな房状に実らせている。
▼すっかり葉の落ちたカマツカの細枝に、セグロアシナガバチの古巣一つ。夏の盛りを忍ばせる。
▼ハエ(SP)、片羽根はもげ足も数本折れたまま、アキニレの葉裏で誰に知られることなく死んでいる。
▼先端に枯れた花をつけたまま、ナワシログミの実、少し膨らんでいる。
▼南小草原の林縁部に、ジョロウグモ♀二組、まだ産卵できないまま巣に残っている。寒さで動きも鈍く、触れても足をかろうじてモゾモゾ動かすくらい。
2012年 1月
- 10日▼西ため池跡に育つアラカシの一年生枝最上部に、オオミノガの生きた蓑ぶら下がっている。久し振り。身の回りの葉と葉柄を使い、上手に巻き上げている。
▼丈高いヤマガキの枝先に、取り残された実七つ八つ。
▼鈴なりについたヌルデの実、茶変し表面にべっとり粘液出している。なめると塩味と酸味が口中に拡が る。
▼カナメモチの古木、全身に赤い実まとい、ゆったり立っている。
▼葉の落ちたコナラやアベマキの高い梢で、ヒヨドリ数羽、賑やかに鳴き交わしている。
- 18日▼小径そば、陽当たり良いコンクリ壁に、クヌギカメムシ赤化型(SP)張りつき、ウラウラと日向ぼっこ。
▼冬晴れに、モチツツジ一輪、弱々しげに咲いている。
- 21日▼逆光に透け、ヒヨドリジョウゴの朱赤の実、豊潤。
▼少年文化館出入口に、ロウバイ咲いている。淡く黄に透き徹った花弁から、甘い香が一帯に流れている。
▼桃紅色に裂けた実点々と下げ、マユミの小木艶やか。