歳時記は隔月で発行される、当会の会報「雑木林通信」の第一面を飾っている記事です。
豊中市でこんな自然について発見、気付いたことが有りましたら、些細なことでもメールでお知らせ下さい。近隣の市町村でも結構です。例えば*月*日、何処そこで、今年初めて何々を見たとか聞いたとか・・。面白い発見をしたとか。
または、ゲストブックに書き込んでくださってもかまいません。
ヤツデに見た3/8らせん
|
◆歳時記のネタを探して小径を歩いているとき、そばで見え隠れするヤツデのことがフと気になった。身近な樹木でありながら、大きな常緑の葉を持ち、小花が球状に集まった白い花をつけることぐらいしか知らない。そもそも《ヤツデ》の名の由来は何処にあるのか。小径奧の半日陰に育つ高さ1mほどの個体を調べるうちに、この事は解った。◆一見して気づくのは、葉が幹の頂部に集中していること。大きく重い葉を支える葉柄は太く堅い。それが10数本も、背丈1m直径4pのか細い幹の頂部に所狭しと生えるものだから、葉ばかりが妙に目立ち、幹は重みで倒れんばかりなのだ。葉柄の付け根は幅3pほどにもなり、幹に深く食い込んでいて、少しの力では全く動じない。葉柄同士は、上下には厚み1本分の隙間もなくギュッと詰まっており、それ故にか、左右はお互いが重ならないように巧く間隔をとって、細い幹の周りを巡っていた。◆配列の規則性を探るべく、上から覗いて解ったことは、ある1本を基点にして順に上に追っていくと、9本目で基点の位置に戻ってくることだった。つまり8本が1組となって、少しずつずれて、幹を順に上がりつつ巡っていたのだ。◆後に冬芽図鑑で調べると、これを3/8らせん式配列と規定していた。基準点の次は少しだけ昇りつつ135度回って2本目が現れ、次はまた135度回って3本目が現れ、順に135度の間隔で巡って、1本目と同じ位置に9本目が現れるまでに幹上を3周するのだ。◆展開角を測っていないので断定はできないものの、あの一見乱れた葉柄の配列は、まさに3/8らせん以外ではなかった。《ヤツデ》の名の由来も、8本を1組の手と見なしての銘々だったのかと、ハタと思った次第だった。 |
灰色の細い幹に取りつくようにして、鮮緑色の葉柄を八方へ拡げる。上端に見えるのは頂芽(上)。十一裂する大きな葉 |
2005年12月
- 11日:▼草刈りで、越冬中のキチョウ、無理矢理たたき起こされる。寒さのために未だ十分体を動かせず(奈倉)。
▼冬枯れのススキの根元では、積もった落ち葉の布団の下、ツチイナゴも冬のまどろみ中。起こされて困った様子。
- 14日:▼早朝、高い梢の上で、キキッとツグミの一声。
- 18日:▼山の南端、ヤマモモの下一帯に、キチジョウソウの小群落。昨夜の雪にもめげず未だ盛んに花咲いている(土田)。
- 23日:▼林床の一角にツルアリドウシ拡がる。常緑の葉や日焼けして赤褐色に変わった葉の下にも、真っ赤な実一つ二つ、作り物のように輝いている。
▼小草原西のセンダン、大きな複葉落とした後、濃緑の幹に羊の顔に似たほのぼのとした葉痕点々。
- 24日:▼柔らかい西風の一撫でで、梢を離れた枯葉が何枚か、光りながら青空をクルクルと舞い、漂い流れて行く。遠く西の林から発ち、小草原を渡った葉もあり。
06年1月
- 22日:▼タラノキの葉痕、大口でニッと笑っているよう。
▼途中で折れて垂れ下がるアベマキの幹の小枝に、それでも当年枝伸び、冬芽しっかりと膨らませている。
- 28日:▼登り口で、鳥の運んだナワシログミの実、大きくなる。
▼ヤマナラシの冬芽、芽鱗割れ、長い柔毛に包まれた花芽が顔出し。大半は未だ固い芽鱗の中で息づく。近くでオオバヤシャブシの雌花も大きくなる。やはり未だ固い。
▼アカメガシワの頂芽、○○仮面のごとき相貌で枝先に背伸びしている。中に堅く巻いた葉を解き始めるのもあり。
▼ヌルデの冬芽、枝に毛糸の玉を張り付けたよう。枯れた葉柄の付根で覆われ、未だ大事に温められているもあり。
子ダヌキ カキの木に登る
幹や枝に爪の掻き傷
| 白く見えるところが爪による掻き傷。木肌が剥がれている(写真左、中)。枝の先端部に成る実は鳥やチョウたちの取り分。タヌキも手が出せない(写真右) | ◆カキの木は高さ9m、胸高直径8pにも満たず、いかにも細身で、それがタヌキならよくこの木に登れたものだと思うぐらい。だが確かに下から3.5m辺りまで掻き傷が残っており、そればかりか、地上3mで分枝した小枝(ここでは写っておらず、中写真のすぐ下にある)の途中までも爪の跡がある。その小枝の先には、涙をのんで諦めたカキが二つ三つ、濃い朱色に輝いていた。 ◆この小枝を這い伝うには体が小さくなければとうてい無理だ。樹下に点在していたフンも小さかった。登ったのは子ダヌキだったのだろうか、それとも他の小動物だったのだろうか。 |
10月
- 9日:▼林縁の一角、時に木漏れ日のさす木陰で、ルリタテハ、 飛び回っては降りて日光浴の繰り返し(奈倉)。
▼地上高く、コナラが作る樹下の空間を、アサギマダラ一 頭、楽しむようにゆったりと羽ばたいている(奈倉)。
- 10日:▼秋晴れの空にキーキーと、モズの高鳴き盛ん。
- 11日:▼早朝、点々と鰯雲浮かぶ高い空を、カリの群、柔らかい 「く」の字描いて、西から東へと急ぎ渡り行く。
- 16日:▼尾根筋で、コウヤボウキのつぼみ先端が紅く染まる。間 もなく花開く(嶋中)。アキノキリンソウは一株が開花(井 谷)。南側林中ではカケスの騒ぐ声しきり。はやきている。
▼オープンランドでワレモコウ、花つけている(土田)。
11月
- 3日:▼林床に落ちたシバグリに、二ミリ程の小な穴開いている。 クリシギゾウムシの脱出跡。もう地中でまどみ中か。
▼チャッ、チャッと舌打つように、ウグイス地鳴き。
▼ヒヨドリジョウゴの実、陽を浴びて鮮やかな朱に輝く。
▼アオツヅラフジ青灰色に熟す。表面は白粉を吹いている。
▼神戸層群横、セイタカアワダチソウの花に、オオホシカ メムシ多数が寄って、長いフン伸ばし吸蜜している。
▼尾根筋の指標の上に、キツネらしきフン一ひねり。
▼ギョッギョッギョッと、山中に蛙の声聞こえる。
▼フユノハナワラビ一輪、光背の如くに花咲かす。
- 13日:▼クロコノマチョウ珍しや、力強く羽ばたき、同一空間を 高度を保ちつつ、何度も行き来する。
▼ウスバキトンボ一頭、晩秋の淡い陽浴びて、寂しげに飛回る
- 16日:▼夜、ハマヒサカキ開花したのか、独特の香、沿道に流れ来る
- 20日:▼草原のただ中に、ジャガイモそっくりの大きなキノコ出現。
▼竹林端のヤマガキ、艶やかに熟す。咬むと未だ渋い。
▼ヒサカキ♀株の小枝には、熟した今年の黒い実と、来春 に開く未だ緑の小さな花芽とが同床。♂株には花芽のみ。
▼林内の諸処に、ナンテンの実熟し、真っ赤に輝く。
- 26日:▼竹林内の元小池の土手跡に、小ダヌキと思しき小動物の フン二つ。新御堂に近い奧の土手跡の上にも、同様のフ ン四つあり。カキの種や甲虫の羽、足が混じる。
▼フンの上に立つカキの幹や枝に、爪跡幾筋もついている
▼メジロ三羽、カキの木に素早く走り込み、熟した実、忙 しくついばんでいる。ウラギンシジミも羽光らせて吸蜜。
キリギリス類は花が好き?
|
◆ツユムシの幼体がユリの中の潜り込み、花弁に落ちた花粉を食べている。純白の花弁に山吹色の花粉、緑の幼体と、とり合わせが鮮やか。四月にはタンポポの上で、キリギリスの幼体がやはり花粉を食べるのに良く出会う。栄養に富んだ花粉は、幼体の成長にかかせないものなのか。
|
8月
- 18日:▼夕刻、風わたる中を滑り飛ぶツバメと入り混じり、コウモリ五頭七頭ガ、未だ青みの残る小草原上空をハタハタとせわしな<飛んでいる。
▼タカサコユリ諸処に咲いている。今が盛り。
- 19日:▼東斜面からオープンランドで、マツムシ7、10頭が突然、一斉に鳴き始め。チンチロリの声、澄んで闇夜を行き交っている。ハラ才力メコオロギらしきも鳴き始め。
- 20日:▼同じ乗斜面で、エンマコオロギ初鳴き。夕刻の空は高<、なでつけたように薄い雲走り、はや秋忍び寄る。
- 22日:▼帰宅途上、また乗斜面でスズムシ数頭ガ鳴き始め。リー、リーと夜気を微妙に震わせて、強<柔らか<鳴<。
- 23日:▼カヤキリ♀、乗斜面の金網に止まっている。姿久しぶり。街灯の光に映え、緑が鮮やか。少しだけ離れてキリギリスも1頭、同じ格好で止まっている。妙な対。
- 25日:▼チッチゼミ嶋いている(土田)。
- 28日:▼早朝から、ミンミンゼミ渋<唸っている。
▼草つゆ玉となる早朝の小筆原で、ハラナガツチパテ十数頭、地上すれすれ、丈低い華の上を舐めるように飛び回っている。集団で狩りの獲物を探している様子。
▼シオカラトンボ交尾。雌は胸部黄色も尾は白く粉をふいて、新鮮な青白灰色に光っている。
▼タカサゴユリの新鮮な花の中、ツユムシの幼体一頭潜り込み、花粉もぐもぐ食べている。手先足先を口元に運んで、そこについたものまで上手になめとっている。
▼工ナガ、シジュウカラ、コゲラ、夏も混郡をなして移動。
▼北斜面に、ナンバンギセルまさに咲き始め。花開いた三、四株以外、明日にも花開くものか、いま地上に顔出ししたばかりのものまで、さまざまな段階のつぼみ多数。
9月
- 4日:▼雨中三時頃、キツネ一頭、豊寿荘から千里少年文化館へと、自動車道を横切る(文化館職員)。
- 5日:▼夜、台風前夜、時折吹き抜ける強い風と雨の中、アオマツムシの声盛ん。ツヅレサセコオロギはこの日鳴き始め。
▼ヌルデの花三種。小花開き盛りの隣りに全身まだつぼみの株。またそばにはや桃色の小さな実をつけた株もあり。
十五日間で三千頭の死・・アリ家族の墓場を見る
|
|
全体(左)と部分の拡大(円内) あり家族の墓は、25日以降も7月1日の大雨まで、日ごとに大きくなっていった。 |
◆梅雨入り宣言後、晴天が続いたある日、林縁の側溝に茶褐色の小さなアリが多数、採餌でもないのに群れていることに気づいた。群れは11×12pほどのやや歪んだ楕円形で、まばらな周辺部以外は無数のアリが積み重なっており、中心へ寄るに連れ盛り上がって層を形成していた。動く個体に目を奪われていたものの、よく見ると多くは生の気配がない。指先につまむと、やはり死んだアリの集まりで、働きアリの墓場だった。全体に随分と乾いており、結節部が簡単に折れて尾部や頭部が小さな塊となり、掌上で転がった。動いていたアリは、死んだ仲間を運んではここに積み上げて、また近くの巣へと帰って行くところだった。但しアリにも個体差が見られ、死骸の山を乗り越えて歩きにくいなかを中心まで運ぶ几帳面派もいれば、周辺に置いてさっさと引き返す要領派もちゃんといたのには、さすがに驚いた。
◆それにしても、この小山に一体幾つの死骸があるのだろう。指先の軽い一つまみに10数頭が数えられ、山の大きさから推定すると、3千頭は十分超えていただろう。側溝の底に積み上げられた山は雨の度に流されており、先の大雨があった6月11日からこの日6月25日まで、15日間で3千頭以上が累々と運ばれたことになる。1日に2百の死が繰り返されていたのだ。
◆そもそも働きアリの寿命は1年とも4〜7年とも言われる。仮に1年とし、かつすべての死が寿命を全うしての死だとすれば、この墓を取り巻く潜在的個体数は約7万3千頭と推定される。また、アリは同種でも異家族には強い排他性を示すとされ、したがってこの墓場は同一家族の手になるものと思われる。その7万3千頭も、1頭の女王アリを唯一の例外として、1年のうちに順次死に絶え、新世代に入れ替わってしまうのだ。
6月
- 12日:▼林縁のコナラの葉上、強い直射を避けるように、ミズイロオナガシジミ静かにとまっている。今年初認(奈倉)。
- 18日:▼ジキジキジキとナキイナゴ、乾いた声で鳴き始め。
▼小草原を吹き抜ける強い風に乗り、チガヤの綿毛キラキラと、初夏の空へ吸い込まれて行く。
- 19日:▼ヤマモモの実紅く黒く熟し、緑濃く繁る葉間からふつふ つと噴きあふれている。金平糖状の実は食べると甘酸っ ぱい。
▼山中のひんやりとした小径を歩くと、ホタルガ右に左に行き交う。薄暗い中に白い紋様が目立つ(炭谷)。
▼黒化したシマヘビ、随分大きくなって再会(田方)。
▼早朝、千里少年文化館横で小ギツネ見る。自分の尾の先を咬んで遊んでいる(会館職員)。
- 21日:▼ネジバナ二株、キリリと、桃紅色に咲き始め。
- 24日:▼小草原出入口の小高い枯草の頂部に、ギンヤンマ♀一頭、
所在無げに静止。時に小首を傾げたり、頭をグルッグルッと回してみたり、突然飛び立ってすぐ戻って来たり。
▼側溝で、アリ(SP)仲間の死骸続々と運び集めている。
▼小径沿いにアオダモの果実、長い柄の先に鈴なり。
- 25日:▼ビロウドハマキ、ハタハタと小径を横切り、ササの葉上に静止。黒の地に朱黄の斑点紋様が鮮やか。久しぶり。
▼草間低くにナガコガネグモの幼生、点々と巣を構えている。木々の間にはジョロウグモ幼生の巣も点々。
- 29日:▼東斜面の草むらで、ギースと一回、キリギリス鳴き始め。
7月
- 2日:▼雨続き、登り口そば、いつもの場所にコウガイビル見参。
- 10日:▼シャンシャンと二度、遠くでクマゼミの声。今年初。
▼アオスジアゲハ、目の前の丈低いクスノキに産卵(土田)
▼マンリョウつぼみつける。淡い桃色が優しげ(田村)。
- 17日:▼夕刻、カナカナカナと、遠くヒグラシの声流れ来る。
▼山の西端でリョウブ開花。南裾ではコマツナギ咲き始め。ヒメヤブランもいつの間にか微小群落作り、立ち上がる穂状花序の先から順に、薄紫に咲いている。また逆にナツフジは穂状花序の付け根から、一つ二つと白花を開く。
▼夏の虫、早くも死んでいる。側溝にアブラゼミ♂、路上 にはオオシオカラトンボ♂、新鮮なまま固くなっている。
丑三つ時・・・確かに「眠る」草木もいる
◆夜。家々に電気の通う現代には最早死語となった闇の支配する世界も。虫や草木にとっては未だ厳然として生きている。◆今、夜気に放たれるスイカズラの香に包まれつつ、千里中央から歩いての帰宅途と上、いくつかの草木の「眠る」姿に出会う。いつも気になるのがヨモギ。茎の先端部に伸びる葉が6〜10枚一群となり閉じている。下方の葉は普通に展開しているのに、この上端部だけがすぼまっているのだ。柔毛に覆われた白い葉裏が、街灯の弱い光にでも良く目立つ。タンポポの花が雨を予感して、花粉を流されまいと花を閉じるのとは異なり、未だ花のないヨモギがこの部位のみを閉じる意味が、残念ながら読み解けない。このすぼまりは翌朝、出勤途上にはほとんど開いている。◆マメ科が葉を閉じて「眠る」のはよく知られたことだ。カタバミやミヤコグサ、クズ、はては開削の矩面に吹き付けられたイタチハギなどが夜の山に葉を閉じ「眠る」。面白い事に閉じ方に大きな違いがあって、ミヤコグサやシロツメクサは、葉表を隠し葉裏を見せている。人の手になぞらえば、掌を葉表とし指を葉とした場合い、親指、人差し指、中指の3本(3枚)を伸ばしたまま軽く指先を合わせた状態に折り畳んでいる。クズやイタチハギは逆に各小葉を下方に垂らして葉表を見せた自然体で「眠る」。イタチハギは10対ほどの小葉が主脈から点々と垂れ下がり、さながら竿に洗濯物を干し並べた様で、これもまた面白い。
4月
- 5日:▼神戸層群の稜線上で、ムラサキシジミ、キタテハ、トラフシジミ見る。成虫越冬のキタテハは、羽がもうボロボロ、蛹で越冬のトラフシジミはこの世に出たばかりか新鮮。竹林の出入り口近くでは、テングチョウも見る(土田)。
▼移植のシュンラン、初めての春に、見事に開花(土田)。
- 9日:▼水場上の一番大きなコナラ、遥か高くの梢で新芽割れ、新葉次々に顔出し。
▼足元では花咲いた、痕跡二つを残す真っ赤な果実つけ、ツルアリドウシ一面に拡がる。
▼コバノミツバツツジ、開花。桃紅色が山中に鮮やか。
▼山桜淡く咲いている。開いた花を順繰りに、越冬から醒めて間もないクマバチ、あわただしく訪れている。
▼純白の花つけて、山中のコブシ新たに見つかる(田村)。
- 10日:▼ルリタテハ、初お目見え。陽射し受けて暖かな地面に、降りてはまた勢い良く飛び立つ(奈倉)。
- 17日:▼アワフキムシ、伸び始めた若草の茎で泡ブクブク。初認。
ヘビイチゴ、オヘビイチゴ、野に黄色の花開く。
▼ツバメシジミ♂初認。日光浴する水色の表羽が新鮮。
▼林縁のハンノキでハンノキハムシはや交尾。春の淡い陽を浴びて、羽、深い瑠璃色に輝く(土田)。
- 23日:▼新緑の中にポッと白く霞んで、アオダモ咲いている。
フジ、下垂する花房の上から順に、薄紫に咲き始め。
- 24日チヨチヨビーと、林縁でセンダイムシクイの鼻にかかった渋い声。林中深くでは、ヒーッ、ヒヒエフと、澄み乾いた透る声でキビタキも囀り、春の渡り鳥きている。
5月
- 2日:▼林縁の草間に、黒化したシマヘビの幼体、一人で休息。
- 5日:▼クヌギやヤマナラシの若葉巻き、ヒメクロオトシブミ、幾つものゆりかごづくりに精出す。
モチツツジ花盛りの尾根筋を、クロアゲハ駆抜けて行く。
カンサイタンポポの蕾上にハッシと跨って、キリギリス幼生、一人前にギョロリとこちらを睨んでいる。
- 15日:▼林縁にエゴの花、咲き始め。透明感のある白い花弁が瑞々しい。雨後に花の甘い香、そこはかとなく漂い流る。
長い睫毛つけ、スイカズラ、金銀に咲いている(石田)。
老コナラの生き様におもう
◆山中の小さな水場近くに、いかにも年老いたコナラが1株立っている。大人の胸高位置で主幹が二つに分かれ、その下に、分厚いサルノコシカケを上下逆さにしたような、上面が平たい大きな出っ張りを持つ。それはのんびりと大口を開け、下あごを突き出したヒトの顔にも見える。幹表面には、並のコナラには無い深くひび割れたシワが撚れて縦横に刻まれており、それが年老いたことを一層際立たせている。
◆突き出した下顎には常緑の幼木が3株4株と根を下ろし、幹表面の水場側にはマメヅタも這う。それらは日々に老コナラを蝕み、年老いた身にとって確かに負担に違いない。だが、コナラは口を閉じることも、身を震わせて振り払うこともしない。その全てを受け入れてたたずむ。それは老コナラの諦念ではある。また同時に、ただ一つだけ起きた厳しい現実でもある。今より以前、120億年の時空の総てを内に含み消化した壮大な結果でもあるのだ。
2月
- 13日:▼新観察路の北側出入口で、ヒガラ(SP)含むエナガ、コゲラなど一〇数羽の混群、柔らかく小声でしゃべりつつ、上空高くをゆっくりと移動。
▼林床整備に歩く足元から、ヤマシギ突然飛び出して、少し先の茂みに潜り込む(岸田興)
- 20日:▼山の南裾、道路沿いに、アセビ咲いている(土田)。
- 27日:▼地表を深く覆った枯草の刈られた小草原に、ツグミ二羽降り立ち採餌している。タタタッと一気に走っては立ち止まり胸を張る姿も久しぶり。
▼登り口東斜面で、ヤシャブシの雄花大きくなる。緑色鮮やかも、ニスを塗り固めたごときの表面は未だ固く、うろこ模様が裂けて花房が開くのは少し先。
▼小径そばに、スミレ(SP)濃い紫の花開いている。
▼オープンランド北斜面、フジの低く拡がる林床に、フユノハナワラビ一四、五株、弱い冬の陽にまどろんでいる。
▼コウヤボウキの冬芽割れ、柔毛に包まれた極小の新葉、細い幹の節々から顔見せ。淡い緑が早春の息吹伝える。
3月
- 2日:▼道路沿いのナンキンハゼの下、ハシボソガラス一羽、落ちた小枝をくわえて飛び立つ。今や巣作りの季節。
- 13日:▼尾根筋や山の南斜面の陽当たりの良い場所で、ヒサカキ開花始まる。特有の香、山中にそこはかとなく漂う。赤花も白花も開いており、いずれも雄花ばかり。
▼尾根筋で、シュンラン、つぼみ膨らませている(岸田興)。
▼五年前に二株だったコクラン、三〇株に増えている。高く花軸を伸ばし種子散布の跡を残す大きな老株から、一年未満の極小の幼株まで、年代にかなりの幅見られる。
- 21日:▼ヤマナラシの冬芽フツフツと割れ、雄花顔出し。銀の柔毛の奧に、幾つもの紅いヤク、早々に開く準備している。
▼暖かな陽気につられ、キチョウ顔見せ。今年初認。
▼山中の水場に、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリが順次飛来し、思い思いに水浴びしては出て行く。
▼幹の最下部に平らで大きな出っ張りのあるコナラ、そこに常緑の幼木三、四株が根づき、真っ直ぐに伸びている。
- 23日:▼トンボ池で、アオサギ、ゆっくりと飛び立つ(井谷)。
風が舞い、ビューッと林を吹き抜けて、年明けにやっと訪れた冬将軍の洗礼を受け、コナラやアベマキも枝先まですっかり葉を落としてしまった。眩しい青空を時おり綿状の白い雲が音もなくよぎり、淡く輝いていた周りの光景はそのたびに急速に色を失う。ほのかに身を包んでいた暖かさはたちまちのうちに冷気と入れ替わる。いま元気なのは鳥ばかり、虫たちは木や葉の隙間や地面に潜り込み、じっと息をひそめている。それでも目をこらすと、コナラの枝先には芽鱗に身を固めた冬芽が膨らみ、ハンノキは早くも一面に花穂を下げて、来るべき春の訪れを待っている。
12月
- 12日:▼尾根近くで、アカゲラの羽散乱。食べられている(社)。
- 30日:▼山の小さな水場そばで、ルリビタキ一羽、行きつ戻りつ。
▼コナラ、アベマキの落葉が林床を茶に覆い、葉を落とし た枝々が、澄み渡る青空を背に黒い線画を網の目に描い て、山はすっかり冬模様。小草原も淡い茶に変わる。
▼エナガ、シジュウカラ、メジロ三〇羽の混群、遠くから 次第に近づいてきて、木々の高く低く、幹に貼りつき小 枝にぶら下がり、時に枯れた草地にまで降りながら、絶えず小声でしゃべりつつ、個々は俊敏に全体はゆったりと、採餌し、やがて遠ざかって 行く。
▼カケス、ごま塩頭にドングリ一つくわえ、ギョロリッとあたりをにらみつつ、音もなく木から木へ移動。
▼タカ(SP)一羽、大きく弧を描きつつ悠々と上昇。雲眩しく光る青空へ、黒点となり吸い込まれて行く。
▼モチツツジ、葉を赤茶に日焼けさせ、あちこちで大きな桃色の花を開いている。暖冬の影響か。
05年1月
- 2日:▼軽費老人ホーム北で、ビンズイ四、五羽リズム良く、絶えず上下に尾を振りつつ、軽快に歩いている。
▼新御堂筋に近い林斜面に、ハイタカの羽散乱。鳥の上位捕食者で地上に降りることない鳥を、誰が食べたのか。
- 10日:▼陽当たり良い尾根で、ナツハゼ、半ば枯れ縮んだ昨年の葉何枚かつけたまま、はや冬芽割る。枝先にはつぼみ下 げ、艶やかな赤い花も開いて新葉次々に顔出ししている。
- 16日:▼あちこちのシャシャンボや、たわわに実っていたトウネズミモチの実も、いつの間にか食べ尽くされている。
▼ナワシログミの実、尖端に長い花つけたまま大きくなる。
- 23日:▼特養ホーム西の小草原で、チャッチャッとウグイスの声響く。寒いのか、身体が膨らんで大きく見える。
▼尾根の北、裸地で、霜柱の跡くっきり。土盛り上がる。
▼サルトリイバラの茎に、セミ(SP)等間隔にささくれを作り、産卵している。そこだけ茎の片面が枯れて茶変。
▼配水場近くの尾根で、コバノミツバツツジ一輪、開花。
▼積もる落ち葉の間から、ヨモギやヤエムグラの小さな若葉、顔出し。霜降り、土も凍える中で、春到来を待つ。
フンに漂う寂寥感
縄張りの主張か 仲間を求める呼びかけか
◆尾根筋の南を神戸層群から裸地までつなぐ新しい観察路への入り口、そこにある白い大きな石の上に、黒っぽいフンが1本、「どうだ」と言わんばかりに明らかな自己主張を持ってひり落とされていた。そこは、神戸層群から南裾の小草原へと下りる小径が開けているものの、陽当たりは悪く、余程の日照りが続きでもしない限り地面はいつも湿り気を帯び、下草が今ほど繁茂していなかった10年ほど前は、草の種が落下する晩秋から冬にかけて、中国東北部から遙か渡ってきたミヤマホオジロが、黄の顔に黒眼鏡の悪党面で冠羽を上下させつつ、種子をついばみ拾う姿がしばしば見られたものだった。
◆石は長径25p、短径20p、高さ17pほどの楕円体で、上面は一方が長径の端からほぼ垂直近くに落ち込み、そこからもう一方へとなだらかに滑り落ちており、フンはその4分の3を切り立つ石上に残し、4分の1は自重に絶えきれず岸壁の下に千切れて落下していた。日頃でも陽当たりの悪いこの場所で、しかも薄曇りの夕刻という悪条件が重なる中で、逆に石の白さがその一角に浮き立ち、黒っぽいフンは暗い中にも一目瞭然として目に飛び込んできた。まさに目立たさんとしてここに落とされたに違いなかった。
◆近づいて良く見ると、表面は 滑らかさとつやを既に失いかけていた。数日前からの雨に洗われて溶けた表面には、複雑な線画を刻むハラオカメコオロギの♂らしい羽が弱い光を反射して陰影を描いており、草木の種子が丸く、また三角をして埋もれていた。中に混じる糸状のものが動物の毛や羽でなく、草の繊維であると判ったとき、空腹に呵まれている姿が忍ばれ、辛く侘びしかった。
◆落とし主はそれでもこのフンを誰かに向けてひり落としたのだ。一体誰に? フンを目立たせたのは縄張りの主張ではなく、逆に仲間を呼びたかったのではないか。周りに誰も居ぬ孤独感に絶えきれずに、居たら返事をしてくれという、悲痛な信号だったのではないか。このフンからは、一人座して遠くを見つめる落とし主の寂しい後ろ姿が、そこはかとなく漂い来るのだ。
10月
- 3日:老人ホーム南上の草原で、ヒメアカタテハ尾部を曲げ、チチコグサの葉裏に産卵(土田)
- 12日:早朝、東斜面の林縁で、ケレッケレレッと甲高い鳥の声。
- 15日:アサギマダラ一頭ミヤコグサの草原に飛来(土田)
:サルトリイバラの赤い実、鮮やかに実る(社)
- 31日:ウスバキトンボただ一頭、仲間の絶えた草原で広さ持て余すのか、一角のみを低く気ぜわしげに周回している。
:林中から、ブチョチョチョとシロハラの警戒の声飛び来る。ヒッ、ヒッと遠くでジョウビタキの乾いた声も聞こえ、山に冬鳥ぼつぼつ来ている。
:同じ卵塊から生まれたと思われるカタツムリの子、枯れたヒメムカシヨモギの幾本もの小枝に、15頭がてんでにしがみついている。3ミリにも満たない身体でも、ちゃんと渦巻く殻を背負っている。傍らには親も一頭待機。
11月
- 3日:秋深い風が林を一撫ですると、木々いっせいにざわめき、バラバラと乾いた音を立ててドングリがいくつも落下。
:大型の狩りバチ、白黒まだらの触覚絶えず震わせつつ、獲物探して、草の葉裏を急ぎ足で探索。
:頭に綿毛つけた種子、風に乗り眼前を姿勢よく流れ行く。
:竹林でクロコノマチョウ二頭、歩く足元からハタハタと面倒くさそうに飛び立ち、少しだけ飛んでまた静止。尾根筋で、コウヤボウキ花盛り。近づくと良い香りする。アキノキリンソウはやせて、やっと二株だけ開花。
:あちこちだシャシャンボ、ナツハゼの実黒く熟す。
:揺れいる木の葉に絡みつくように、ウラギンシジミ、ピカピカと光りつつ、木の周辺を飛び戯れている。
- 7日:オープンランドの南の小草原で、ジョウビタキ二羽、追いつ追われつ、越冬の縄張り固定前の攻防、激しく繰り返す。
:ヤツデの花にハエやアブ、アリも多数蜜舐めに来ている。
- 13日:新しい小径出入り口の大きな白い石の上に、タヌキらしき新しい糞一本。コオロギ♂の羽や草木の種子混じる。
:ピョー、ピョー、とアオゲラ、すんだ鋭い声で鳴く。
- 20日:キチジョウソウ開花。林内に三畳ほどの小群落作る(土田)
- 21日:東斜面でハマヒサカキ咲く。夜気に乗り、香り漂い流る。
8月
- 9日:夜、東斜面でマツムシ五、六頭、一斉に鳴き始め。
- 11日:ナガコガネグモの幼生、丈低い草間に張った小さな巣を、身体ごと振りをつけ、力一杯揺すっている。中心から始めて順次横へ外へと移りつつ、網も壊れよと揺り動かしている。早朝の、一日の始まりの網の点検か。
:飛来蝶三種初認。イチモンジセセリ、地上低くをフラフラと、頼りなげに飛んでは止まり・・・を繰り返し。そばの葉上で、チャバネセセリは羽ね拡げて、朝一番の日光浴。ウラナミシジミはクズの葉上で一人澄まし顔。
:ボントクダデ、紅白に染め上げた小花点々と開いている。
:頭上に飛来したコゲラ、虫多く棲む葉裏を探さず、コンコンと頑なに硬い樹皮突きつつ、幹を上下に走る。
:交尾の季節。クロアゲハは雄が楠の葉につかまり、雌は気楽にぶら下がっている。ホシミスジは交尾のまま器用に空中を飛んでいる。アカマツの幹ではアブラゼミの雄、ギジギジと絶えず口説き文句を呟きつつ雌に近づくも、横に並び身体に触れた途端に逃げられ、呆然とす。
:小径の木陰に、マユタテアカネ静止、久々。尾部淡く朱に色づき、相変わらずの三角眉で頑固に睨んでいる。
- 21日:夜、東斜面でリーリーと今年初めてスズムシの声
9月
- 11日:夕刻、キタテハ一頭、二、三箇所飛び歩いて下見ののち、倒れた竹の枝先で夜の眠りへ。尾部太く、産卵間近か。
:小草原のフサアカシアの幼木、小さな枝先に蕾つける。二年半前、初めて地上に芽を出して以来、初めて。
:湿った小径脇にタヌキノチャブクロの幼菌ギュギュッと押し合いながら、我も我もと顔出している。
- 12日:随所にハギ、メドハギ、ヤハズソウ、咲き始める。
:クロアゲハ♀一頭、ホバリングしつつ林内をゆっくりと移動。淡い光受け後翅内側が深い瑠璃の金属光沢放つ。
:ショウジョウバッタモドキ、久々に出会う。ススキの葉裏にササッと回り込み、おどけた顔で様子を見ている。
:開花間もない、香り漂うヒメジソの小群落で、キアシトックリバチ吸蜜。慣れないのか、わずか一吸いで次々と移動。ニホンミツバチはじっくりと腰落ち着けて仕事。
6月
- 12日:神戸層群傾斜面に、オカトラノオ花盛り。多数集まって虎の尾状となる白い小花は、根元から咲き始め、尖端へと咲きすぼまっている。
:オオシオカラトンボ♀、木陰でじっと静止。(土田)
:カノコガ一頭草の根元で休憩。羽に広がる黒白のかのこ模様と黄色い腹巻が鮮やか。(土田)
- 19日:オープンランド西でシャシャンボ開花。
小草原の草茂る中ネジバナ三株五株キリリと螺旋にのび咲いている。明るい桃色が鮮やか。
- 18日:オープンランドの一角。小高いマツの天辺近くで、ウグイス、ホーホケキョと繰り返し鳴く。
:山の南裾に、コマツナギ咲いている。
死んでしまったミミズにヒラタシデムシ、キンバエ、ダンゴムシ寄っている。死・生の循環無常。
- 22日:豊島西の林にヒーッ、ヒッヒエフと鳴いて、キビタキ1羽、4月末以来まだずっと居続け。
- 27日:シロウメモドキらしい淡い花咲く幼木の枝先に、アオバハゴロモの幼虫三頭四頭、白いカビの衣つけ、静止。
- 29日:竹林にトンボソウ花開く(土田)。
7月
- 1日:クマゼミ鳴き始め、4日にはアブラゼミも鳴き始め(土田)
- 6日:東斜面や小草原で、キリギリス、のんびりと鳴き始め。
- 8日:朝の陽浴びて、ウスバキトンボの十数頭、小草原低くを舞う。羽キラキラと輝いて、まばゆいほど。
- 11日:チョウトンボ初認。伸びる草の上低くをヒラヒラと飛翔。
木々や草間に、ジョロウグモ、ナガコガネグモの幼生、半人前の小さな巣張っている。隠れ帯もちゃんとあり。
- 17日:ウラギンシジミ、繁るフジの葉の中を行ったり来たり。
竹林そばでウスバカミキリ、いまわの時を迎える。
:夕刻、風が草気を撫で、山を渉る中小草原の奥でツクツクボウシの初鳴き。これに乾いたヒグラシの声、せわしなげなアブラゼミ、脳に刺込むニイニイゼミ、午前中鳴き足りなかったクマゼミも加わって、黄昏五重奏を奏でる。
:気温が下がり闇夜せ始めた大気の中、ヤンマ(SP)、草原の頭上三メートルほどを、悠々と何度も周回飛行。
4月
- 3日:強い風の中、春一番のツマキチョウ、地上近くを頼りなげに横切る。日溜まりで日光浴のベニシジミも初認。
: いつも早咲きのコナラ、今年も他に先駆けて開花。淡い黄緑の花穂、全身に垂れ咲かせている。
: 林縁にカンサイタンポポの花盛り。モンキチョウ♂数頭が吸蜜する傍ら、別の花ではモモブトカミキリ一頭黒い肌光らせながら、せっせと花粉食べている。
: 山のあちこちでコバノミツバツツジ開花。南裾ではコブシも満開。波打つ白い切れ長の花弁が瑞々しい。
- 7日:キレンジャク30羽の小群、山で小休止。チリチリチリと鈴を鳴らすような声で絶えず囁きあっている。(土田)
- 11日:クロアゲハ、アオスジアゲハ初認(奈倉)
: カレハガ(SP)の体表にその身体を食い破って出たコマユバチ(SP)の小さな白い繭びっしり(河原)。
: 小草原にシリリリリと、今年初めての虫の声。
: 夕刻のコナラ樹上にて、アオジ、春到来のさえずりの声。
- 17日:ツマグロヒョウモン♂、初認(土田)
- 26日:旧婦人会館奥で、アキグミとナツグミ同時に開花。辺りでは甘い香り漂い、アオスジアゲハ、吸蜜について離れず。
: 奥の林中に、キビタキのさえずり、澄み渡る
。
5月
- 1日:小草原の出入り口に、ニワゼキショウ咲き始め。
: ヒメウラナミジャノメ多い。草間を縫ってヒラヒラと行き交い、途中二頭が戯れるもあり、ミヤコグサやヘビイチゴに吸蜜するもあり。すべて幼虫で冬越ししたもの。
: 卵から孵ったばかりのキリギリスとカマキリも、春舞台に登場。危険に満ちた幼生時代をしのぎきり来春の次世代のために、晩秋までの短い命を全うできるか。
: 小草原の林中でオオルリ二羽、ゆったりと力強く唄う。キビタキ、センダイムシクイも囀って、賑やか。
- 15日:スイカズラ、諸処で銀に金にと咲いている。よい香漂う。
- 22日:ミズイロオナガシジミ初認。静止するチョウにアリ一頭近寄り、足をつついたり尾部に近寄ったり、興味津々。
: 街明かり映す夜空を、ホトトギス一羽、不安打ち消すかの様に激しく鳴きながら通過。急ぎ、何処に行くのか。